□修学旅行準備 ページ25
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『うわ、めっちゃいいよ』
「ね」
HRで修学旅行の班決め。
その前の休憩時間、Aと百合は宿泊する旅館の口コミを見ていた。
3週間後にヒーロー科と普通科は北海道への修学旅行だ。
『私、飛行機乗ったことない』
「そなの？」
『うん、だから楽しみ』
笑みを浮かべながらもAは心配していた。
『百合、具合は大丈夫なの？』
後夜祭最後に具合が悪くなったらしく、寮へ一足先に帰っていた。
そして、翌日から彼女は元気な様子。
余計気になる。
「うん、ヘーキ。それよりも雪まつりさ、アニメとコラボするんだよね〜、何日からだっけ〜」
『そーなんだ』
再び笑みを浮かべ、2人は雪まつりの日程を調べ始めた。
____話遮られたな。
深掘りはしなかった。
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そしてHR。
Aは百合とペアを組み、その後、
陸上部の佐藤ちゃん、弓道部の五十嵐ちゃん、新体操部の森ちゃんの仲良し3人グループと合流し、計5人班となった。
「自由行動どこ行く！？」
「ラーメン食べたい！」
「行き来出来るか〜？」
班になった机で5人で2日目の自由行動について話し合う。
3人とは良く話す、距離の近い友人。
ノリのいい運動部女子だ。
めちゃくちゃ元気で食欲旺盛。
お菓子をよく分けてもらう。
話がスムーズに決まり、あと数分という時間をスマホで過ごした。
溜まった通知を見ていく。
と、爆豪からメッセージが着ていた。
思わずスマホを投げ出しそうになる。
一瞬皆に驚かれるが、苦笑いで誤魔化した。
しかし五十嵐ちゃんは
「ははぁん、彼氏？」
一発で当てた。
「ウソ！？王子！？」
「見たい見たい！」
運動部の2人は目をらんらんにさせ、興奮している。
百合もピクっと反応するが、2人ほどではない。
百合の様子にAは首を傾げた。
「まさか腹黒王子に彼女が出来るなんて思いもしなかったわ」
「それな！！今まで告ってきた子みんなフってるんでしょ？」
「ヤバいよねぇA」
3人から視線を浴びる。
「Aは恋愛の神…」
「「拝んどこ」」
3人はAに向かって両手をこすり合わせる。
『ちょ、あのねぇ』
言いながらもまんざらではない。
「百合も拝んどけ〜」
「うんうん」
「あ、うん…」
ぎこちなく彼女が言う。
頑なな表情が含む繊細なニュアンスに異変を感じた。
ここ最近、彼女が彼女らしくない。
「………？」
Aは小さく肩をすくめた。
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年10月23日 11時
