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『えっ？爆豪くん？え？』
理解が追いつかない。
「てめーが気付いて俺が気づかねーことなんてねぇンだよ、言ってみろや」
___ちっ、ちいさいよ爆豪くん。
「Aちゃんと2回目くらいに会った時に知ったんや、2人が偽交際してるちゅーこと」
『…でも私、教えてない』
「教えてたら、はっ倒してんぞテメェ」
「話してないのはお互い様や。俺の個性のせいってわけ」
『個性……』
「俺の個性は透視。対象の相手と7秒間目を合わせることで相手の心に思ったことが見える個性」
『え、すご』
普通に褒め言葉が出る。
「ただ、その人が今思ったことしか伝わって来ないっていうのがうまくできてるよなぁ」
透目が屈託なく笑う。
『じゃあ、つまり、私がその時偽交際について考えてたってこと？』
「そゆこと」
『へ〜』
何度も頷きながら爆豪の方を向く。
「へ〜じゃねぇわ！カス！何考えとんだ！」
『えっ、いや、しょうがなくない…？』
言い合いになる2人を見て透目が愉快そう微笑む。
「でもAちゃんがフリーって分かったから遠慮なくアタック出来るなぁ？」
『え"』
「あ？」
爽やかスマイル。に見せかけた腹黒そうな笑顔。
案外彼の方が腹黒だったり……
「Aちゃん、これからは全力でアタックするで？」
度直球に言われる。
頬を手で抑える。
赤面しているAの顔を爆豪が横から深い縦じわを刻んで覗き込む。
「誰に許可取ってコイツを口説こうとしてんだてめー」
「爆豪くんは彼氏やないから問題ないやろ？」
はっはっはと笑う透目。
勝てない相手ではないと断言したようだ。
と、すぐに真顔に戻る。
「でもなぁ、盗み聞きは良くないと思うで？百合ちゃん？」
_____え、
百合……？
再び頭が追いつかなくなる。
しばらくすると、曲がり角からスリッパの姿が現れる。
徐々に雄英高のスカート、ブレザーと…
そして、
「A…今の本当…？」
百合の姿が現れた。
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年10月23日 11時
