爆豪勝己の偽彼女？【爆豪勝己】 (ページ13)

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「Aちゃん、疲れとる？」

『え、あー、まあ』

爆豪&百合と離れ階段を降り、右に曲がれば保健室のところまでやってきた。

_____そりゃ、そんな走らされればね。

邪魔にならないよう、透目が階段の端に座る。

「ちょっと休憩しよっか」

『…爆豪くん、追ってくると思うけど？』

_爆破されるぞ？

Aも透目に習って隣に座る。

最初はキョトンとした透目だが、嫌な笑みを浮かべ、

「Aちゃん二股？」

『いっ、や、違うし！』

駆け落ちでもすんの？みたいなノリで言われた。

本当は二股でもないが、否定する。

「爆豪くんは追って来んと思うよ？」

『…なんで』

「百合ちゃんがおるから」

___百合がいるから？理由が分からない。

その様子を察した透目が話を続ける。

「爆豪くん、ああ見えて知り合いは放っておけないんとちゃう？」

『……！』

__そうかもしれない。

気付かされた。

「好きな子の友人なら尚更やな」

『…私、……やっぱ戻らなきゃ！』

立ち上がる。

しかし、その腕を透目が掴む。

「…なぁ、Aちゃん、なんで焦っとんの？」

『え、いや、だって…！』

「…Aちゃん、爆豪くんのこと心配なのは本気なん？」

『えっ』

心の中を読まれた気がした。

心に話しかけられている気がする。

「お芝居せんでいいと思うけど？偽彼女さん？」

『…………え』

____偽、彼女。

確かにそう言われた。

__なんで…？バレた…？どうし_____

困惑するAはただただ真剣な目で見つめてくる透目を見ることしか出来ない。

けれど、

「ねぇ聞いた！？白川さんと腹黒王子が保健室入って行ったって！」

「おんぶしてたよ！？やばくない？」

______え

女子生徒の会話が耳に入る。

瞬間、透目から目を逸らし、腕を振って離した。

そのままダッシュで階段を降りる。

「Aちゃん！？」

透目が叫ぶがAには届かない。

頭の中がぐちゃぐちゃになる。

混沌と化する。

___走らないと。

それしか頭になかった。

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