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「な、なんだよ、おまえ！！！！」
「なんだよ？いや、そっちこそ何？
ここにいて、もっと自分の価値を下げるつもり？
こんな大衆の前で、ねぇ？」
腕を組み、元婚約者を見下ろす女性。
華奢で可愛いらしい雰囲気なのに、醸し出されるそれとは真反対のカッコよすぎる男気オーラに、私もただ口を開けて眺めてしまう。
発端は私だ。
それなのに、まるで野次馬の人たちと同じように、傍観者としてそこにいる気分になってしまう。
それくらい、ありえない展開が目の前で広がっている。
「っ…くそ、何なんだよっ。お前のせいだからな。」
そう言ってもう一度私を睨みつけ、足早に去って行く元婚約者。
何故か野次馬たちから起こる拍手喝采。
女性は私の方を向き、にっこり笑って呆然と立ち尽くしていた私の手を取り、野次馬を掻き分けて走り始めた。
『…え。あの…え？』
「注目を浴びちゃってるからね。
まぁ、私のせいなんですが。
だから、あそこにいない方が良いです。」
勇ましく私を引っ張ってくれる背中はやはり華奢で、本当にこの天使のような女性があのクズ男を蹴飛ばしたのだろうか。
…いや、まぁ、蹴飛ばしたんだろうけど。
しばらく走り、会社の近くの公園に着いたところでやっと、彼女の足は止まった。
「ここまで来れば大丈夫ですね！
すみません、余計なことをしてしまって。
けど、なんか、他人事だと思えなくて。
私も、婚約者に婚約破棄されてるんです。」
『え、そうなんですか？
というか、なんで婚約破棄されたことを…』
「お二人のやり取り、最初から聞いていたんです。
たまたま近くにいて。
もっと早く蹴飛ばしといた方が良かったですか？」
『あ、いえ、ジャストタイミングだと思います。』
「なら良かったです。
婚約しといて、それを一方的に破棄するなんて。
ほんと、男性ってなんでそんなに自分勝手なんですかね。」
私のことはともかく、こんな可愛い方と結婚できる権利を自ら投げ捨てる野郎がいるなんて。
そいつは馬鹿だな。
こんなに可愛くて綺麗で、見ず知らずの他人である私をあんな風に助けてくれる素敵な女性を。
「…なんだか、あなたとは初めて会った気がしないです。同志ですね！
このあと、カフェでも行きませんか？」
『カフェ…ですか？
お礼もしたいので、是非ともご一緒したいところなのですが、今勤務中でして。
急いで会社に戻らなければ…』
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うに(プロフ) - もう何度も読んでますがやっぱり大好きなお話です！また更新される日を待ってます！ (4月29日 21時) (
レス) @page45 id: fc966db95f (このIDを非表示/違反報告)
Sharon(プロフ) - めっちゃ好き！更新待ってます (2月5日 18時) (レス) @page45 id: ba78d037f7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 今日も好きすぎます まゆうさん ありがとうです。 (8月20日 21時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
たたたった(プロフ) - 面白かったです!!更新待ってます☺️☺️ (7月18日 22時) (レス) @page45 id: 8d4bed92ac (このIDを非表示/違反報告)
たぬき - 続きが気になってしょうがないっっ！！！ (7月17日 13時) (レス) @page45 id: 6d3f164a1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆう。
| 作成日時：2021年9月12日 21時
