２２話 ページ27
翌日
一期一振が出陣し、五虎退は予想通り俺達に黙って審神者がいる離れへと向かった
俺と厚はその後ろを慎重に、気配を悟られないように隠れながらついていく
しばらくついていくと、五虎退がピタッと止まった
気付かれたか…と思ったが、五虎退は横を向き、目の前の障子に話しかけた
どうやら、俺たちに気付いたのではなく、審神者のいる部屋についたようだ…
俺と厚は五虎退に気付かれないように物陰に身を潜め、少し遠くから様子を観察した
障子には少しの隙間が開いてあり、五虎退はその隙間に向かって話していた
……審神者と会話をしているようだ
障子の隙間から審神者がどんな人物かを確認しようとしたが、障子の前に座っている五虎退に隠れてしまっているため、確認することが出来なかった
会話の内容もあまり聞くことが出来なかったが、話は弾んでいるようだった
「…何の話をしているんだ……？」
「わからん…が、五虎退があんな楽しそうに笑っているのを見るのは久しぶりだな…」
「あぁ…」
前の審神者は弱い者を嬲り、虐げる加虐心が強かった
五虎退は小心者で泣き虫な性格であったため、審神者の加虐心にさらに拍車がかかり、よく甚振られた
それがトラウマとなり、一兄を見て怯えることもあった
そんな五虎退が怯える対象であるはずの審神者と楽しそうに話している
「…今回の審神者は信用出来るのかも知れないな……」
「そうだな……」
二人は五虎退の様子から、審神者から何かされているわけでは無いと分かり、安心した…
その瞬間ーー
五虎退が涙を流した…
二人はひどく困惑した
「どういうことだ…？」
「やはり、何か弱みを握られいたのか…？」
「けど、さっきまでは楽しそうに笑っていたよな…？」
「あぁ…」
審神者は部屋から出ていないため、審神者が何かをした訳では無いはずだ
では、何故先程まで笑顔だった五虎退が泣いているのか…？
二人は、様子をもっと詳しく知るために、気づかれないように少しずつ近づく…
近づくたびに、障子の隙間が見えてきた
角度的に審神者を確認することが出来なかったが、話し声がだんだんと聞こえるようになった
そして、あともう少しで話し声が聞こえると言うところで、障子の隙間から五虎退に向かって手が伸びていたのが見えた
前の審神者に五虎退が泣きながら髪を掴まれ、引き摺られていた記憶が過ぎり、薬研と厚はそれを見た瞬間…
走り出した
すぐさま五虎退の元まで駆け寄り、厚は五虎退を守れるように後ろに引っ張り、薬研は伸びている手を掴み、障子の外へと引き摺り出し、そのまま己の刃を審神者に向けた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 378人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
動物になりたい(プロフ) - ありがとうございます！m(_ _)m (10月22日 10時) (
レス) id: 80917aefbd (このIDを非表示/違反報告)
快晴(プロフ) - 頑張ってください！応援してます！ (10月22日 9時) (レス) @page24 id: 3fba93f21d (このIDを非表示/違反報告)
動物になりたい(プロフ) - 更新が遅くて申し訳ないです！これからも引き続き頑張って書きます！コメントありがとうございます！！書く励みにします！！ (10月22日 9時) (レス) @page23 id: 80917aefbd (このIDを非表示/違反報告)
鳥月風花(プロフ) - この作品大好きです！応援してます！.。o○ (2020年3月27日 8時) (レス) id: 29ed657b53 (このIDを非表示/違反報告)
真鈴(プロフ) - 初めまして！このストーリーを読ませてもらっています！次の更新待っています！頑張ってください、応援してます！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 9f5e33e110 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：動物になりたい | 作成日時：2020年3月20日 2時
