そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ46)

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待ってページ46

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——Aはずっとそうやって生きてくん？自分隠してさ、それでええの？ホンマのAは何処におるん？——

和也に言われたこの言葉は私にはまるで呪いみたいで、
いつになったら解けるんだろうと思っていた。

でも、呪いなんかじゃなかったんだね。
私はずっと逃げていて、誰かに気持ちを委ねる事で本当の自分から目を逸らしてたんだ。

その方が傷付かないから———

和也、ようやく分かったよ。
私はずっと、自分自身を言い訳にしてたんだね…

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でもね、もう私逃げないよ———

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この１週間、自分にこんな行動力があるんだと驚くほどにあれやこれやと事を進ませた。

少しの荷物と、
あの日彼が書き残したメモを握りしめて…

その先にゴールがあるなんて分からないけど
とにかく突っ走るしか今の私には出来なかった。

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駅は沢山の人で溢れかえっていて、
連絡も取らずに誰かに会おうなんて絶望的だった

和也が教えてくれた新幹線の時間だけを頼りに駅のホームを探す
もしかしたらもう行ってしまった…？
そんな事を考えながらとにかく辺りを探す

「(お願い…見つかって…！)」

がむしゃらに、人の合間を縫って
今会いたい人の姿だけを必死に探す———

「･･･居た！！」

私が会いたかったその人は
あの時に買ったキャップを深く被って、
手元のチケットを眺めていた

「長尾くん…！！！」

周りの目なんか気にもせず、
ようやく見つけた彼に聞こえるように大きな声で叫んだ

ガヤガヤしたホーム、
でも私の声は１回で貴方に届いてチケットに向けていた視線がこちらに向く

長尾「せ、先輩っ？！」

表情は、キャップのツバで半分影になっていたけど、驚いてる様子が伝わってきた

長尾「ど、どうしたん、、、仕事は…？」

キャリーケースを引きながら、こちらに駆け寄ってきてくれたけど、こんな動揺した長尾くんを見るのは初めてというくらい、視線が揺らいでるのが伝わってきた。

長尾「あかん…きつなるから顔合わせんで行こ思てたのに、、、どうして」

「無理なの。」

長尾「へ？」

「私…長尾くんが傍に居なきゃ無理…」

長尾「それ、どういう…っ」

泣いてしまいそうだ。
言葉にしようとしたらこんなにも愛しかったんだと改めて気付く…

まだ、間に合うかな…？

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