そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ5)

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翌朝——

土曜日で仕事は休み。でも大橋君は朝から活動的で、
彼が立てる物音で目が覚めた。

「んー…」

『あっA起きたかー？』

「いま、なんじ、、、」

『8時半やなぁ』

「はやい…」

『ははっ笑おねむさんやなぁ』

「大橋君は朝早いんだね…」

寝ぼけながらも会話が続くにつれ目が覚めてきた。よく見ると大橋君が立てていた物音は朝ごはんを作ってくれているらしい。

「いいにお～い…」

『もうそろそろ出来るで』

「できる男だわ…」

『せやろ～？』

たまらなく幸せな朝－－
作り終わったのかベッドでゴロゴロしている私のところにやってきた彼は私を起こしてくれるのかと思いきや再び隣に潜り込んでくる

１人暮らしの男の子の部屋。
決して大きなベッドでは無いから自然とぎゅっとくっつく。

『ボーナス出たらもうちょっと大きなベッド買おかな』

「なんで？」

『１人用やから狭いやろ？』

「えっ？」

『これからも泊まりに来るときもっと広い方がええかなーって』

「私は…このままでもいいよ…」

私の言葉にニヤニヤする彼は『なんでかなー？』と探るように聞いてくる。なんでかなんて分かってるくせに。

『Aはかわええなぁ』

「大橋君は意地悪。」

『てかいつまで苗字呼びなん？』

「えっー」

確かに言われてみれば大橋君は初日からすぐに私を名前で呼んだけど、私はずっと苗字でしか呼んだことなかった。

『えっ知らんとかやないよな？』

「な訳！！」

『じゃあ呼んで？』

「か…ず」

『かずー？』

「和也…」

『よくできましたっ』

そのままぎゅーっと強く抱きしめられて、またそのまま眠りたくなってしまったけどせっかく大橋く…じゃなくて、、和也が作ってくれたご飯が冷めちゃうからベッドから起き上がる。

「美味しい。和也って天才？」

『せやなー天才？笑』

「自分で言うなや」

『あれ？関西弁移ったんちゃう？』

そんな笑いの絶えない週末。幸せな週末。
暫くはこんな日々が続いた。

でも私達って正直お互いの事そんなに分かってなかったんだと思う。
そりゃ最初から全部分かってる訳ないし、付き合っていく中でゆっくり分かっていけばいいことが大半で、私達だってそうやって進んでいくんだと思っていた。

でも知れば知るほど
私たちって正反対なんだと気付かされる―――

それは悪いことでは無いし、
お互いに補っていけば良いんだとこの時の私は思っていた。

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