そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ28)

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『どういうこと？』

「ごめん。」

『ごめんじゃ分からへんやん。ちゃんと分かるように説明してや』

「説明も何も…そのまま。ちょっと距離置きたい」

『なんでそうなるん…？』

この状況に理解出来ない様子の和也は私の肩を掴んだ
そりゃ理解出来ないだろうな、和也は別に何も悪いことしてなくて、私の気持ちの問題なんだから…

「色々考えたいことあるの」

『そんなん、一緒に話せばええやん』

「話したくても、今は言葉に出来ないの…」

『…Aのそういうとこほんま分からへん』

「うん、私も分かんない…」

あー嫌な雰囲気だ。
喧嘩になっちゃうかな、喧嘩別れだけは嫌だな…ここまで来てそんな甘い考えが脳裏によぎる。でも、そんな私の気持ちとは裏腹に、和也から出た言葉に私は衝撃を受けた

『･･･はぁ…ホンマにだる。』

「え？」

『だるい』

人が変わったようというのはこういうことを言うんだろう。時々、和也のこと怖いと思ったことはあったけど、態度とか言葉遣いとかそういう意味ではなかった

「和也…？」

『ええから、こっち来て』

「･･･？！」

勢いよく腕を引かれて、慣れた香りに包まれる
それは簡単には逃げられないほど強い力

『あーあ、誰かな、俺のAにちょっかいだしたんわ』

「･･･？！」

『俺が何も感じとらんって思っとるん…？』

「どういうこと…？」

『そやなぁ、１つ言うならAから謙杜と同じシャンプーの匂いがする』

「･･････？！」

『俺が匂いに敏感なん知っとるよなぁ？』

言い逃れは出来ない——
そもそも、それは私が原因なんだから言い逃れをするべきではない。
分かってるけど、目の揺らぎが止まらない…

『なに？謙杜のこと好きなったん？』

「違っ、そういうんじゃない」

『じゃあ何なん？』

「長尾くんは、困ってた私を見兼ねて助けてくれただけだから…」

『助けた、ねぇ…。家に行ったんは認めるんや？』

「･･････！」

『まあええよ。俺は。最後にちゃんと俺んとこ戻ってきてくれるんやったら。俺、A離す気あらへんから』

「どういうこと…」

『そのまんまの意味』

そうして和也は不敵に笑って、私の頬にキスを落としその場を去っていった——

和也Aが戻りたくなったら戻っておいでや。

和也俺はいつでも待ってんで

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