そして私はまた、最低な朝を迎える (ページ24)

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「よし、こんなもんかな…」

一通り買い終えて、お風呂上りに…とアイスなんか買ってみちゃった私は何だか浮かれてるみたいでそんな自分に少し引いたけど、そのまま長尾くんの家まで足を進めた

「ん…？長、尾くん…？」

家の付近まで行くと、階段下できょろきょろしている男の子がいて、
誰かを探してるような様子——

ゆっくり近づくと、こちらに気付いたのか
ハッとした表情でこちらに駆け寄ってきて、その子はやっぱり長尾くんだった

「長尾くん！？髪びしょびしょじゃん、どうしたの…！」

『どうしたもこうしたも、やっぱり出てったやん！危ないってあんだけ言うたのに！』

「え…コンビニ行ってくるねってメモ残してきたんだけど…」

『え？メモ…？？全然気付かへんかった…』

「っふ…なんか意外。そういうとこあるんだ笑」

思わず笑うとちょっとムスっとした表情をしていて、
さっきと真逆で、仕返しが出来た気分になった

「ほら、湯冷めしちゃうよ。」

私の言葉に髪をかき上げる仕草をした長尾くんは
少し納得いかなそうに、でも安堵したような表情で
私の手にもっていた荷物をさらっと持ってくれた

『おーパンツ買ったん？』

「！！ちょっ！ほんとデリカシーない！！」

『買わんでも俺の貸したのにー』

「履けるわけないでしょ！笑」

『おっ！アイスもあるやん！やったー！』

さっきはムスってしてたのに今はにこにこ笑って、
本当に忙しい人だな―…

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それから家に帰って、お風呂を借りて、
一緒に並んでテレビを見ながらアイスを食べた。

『先輩、そっちも食べたいなー』

「ええー？欲張りだなー」

『こっちもあげるから』

「あげるって買ったの私なんですが？」

『ええやん。泊まらせてあげるんですが？』

「うぬぬ…」

仕方なくアイスを差し出すと
受け取らずにそのままパクっと食べて満足気。

「あーもう、そんな食べ方するから口についたよー？ほらっ」

長尾くんの口についたアイスを指で拭って見せると
ポカンとした表情をされて、空気が固まる。
途端に自分のした行動が急に恥ずかしくなった

「(しまった、いつもの癖で・・・)」

慌てて拭った指をティッシュで拭き取ろうとすると
ぱっとその手を握られる

『…なんでスイッチ入れるん？』

「えっ…」

次の瞬間、視界がぐらついた
今私の目に映るのは、至近距離の長尾くんの表情だけ―…

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