ぬ " ぁ ― ページ9
「…つまりお前は俺らが敬語とかさん付けで喋んなつったらやめるって感じか?」
『ですね、』
ルーファはそう言いながら、クルクルと周るブローフィッシュバルーンレースを眺めていた。
「…あれ乗りてぇのか?」
『嫌、アレで燥いでいる人間達の感性がいまいち分からなかったので只々見てただけです。』
其れに、今はエイトフットさんの行きたい所とか乗りたい所に行くのが優先ですから、と言うルーファにエイトフットは呆れた。
「なら、俺の行きてぇ所はもう無くなったから後はお前が行きてぇ所に行くぞ」
『……え、エイトフットさん行きたかったの此処だけ何ですか』
少し驚きながら言うルーファにエイトフットはまぁな、とだけ返し
「そんで?何処行くんだよ」
と、振り向きざまに聞いてきたエイトフットにルーファは少々悩みこう答えた。
『自分が行きたい所に連れて行ってくれるのは有り難いんですけど…エイトフットさんの足元に居る子供は何方様ですか?』
はァ?と、言いながら足元を見ると其処にはエイトフットの足にしがみついた子供が居た。
その子供をよく見ると親と逸れたのか涙をボロボロと溢していた。
「ぱぱぁ、ままぁ……グスッ…」
『はぁ…ねぇ僕、もしかして親御さんから離れちゃったの?』
と、少年と目線を合わせるためしゃがみ込んだルーファに少年はビクリと肩を震わせたがルーファの問に首を縦に振った。
『そっかぁ……其れじゃ、一緒にパパとママ探そう?』
「うんっ……」
手を差し伸べるルーファに少年は恐る恐る其の手を取りエイトフットから離れた。
「…お前も災難だなぁ、親御さんと離れ離れになっちまうだなんて」
「ひっ…」
エイトフットに吃驚したのか少年は直ぐ様ルーファの後ろに隠れた。
『さてエイトフットさん、どうしましょうか。』
「おまっ…あんだけ大口叩いておいて何も考えて無かったのかよ……」
『……仕方無いじゃないですか、迷子が来るとは思っていなかった訳ですし』
と、言ったルーファにエイトフットははぁ……と溜息を付いた。
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作者名:たにしちゃ | 作成日時:2022年11月17日 20時