〚ヴィランズ手下〛蜥蜴と鴉 (ページ22)

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嫌いページ22

マルフィのエスコートと言ったら其れはもうとても紳士的且つ王子様_ヴィランからすれば決して褒め言葉ではないが_と言った感じだった。
其れに、マルフィの美貌に他ゲストは二度見をしたり遠巻きで格好良いだの何だのと呟いている。
勿論全て聞こえていないように人間は話しているがラードルからすれば其れは全て聞こえているのだ。

『(何故ナルフィストさんが周りからキャーキャー言われて私がモヤモヤしなくちゃ行けないんですの…)』

そう思いながら何処かへ何かを買いに行ったマルフィを待つラードルは苦虫を噛み潰したような顔をした。

「あれ、お姉さん今1人?」
「うわ、1人で夢の国とか可哀想～、俺らと回んね?」

俺ら此処、詳しいからさ!!と、在り来りなナンパ台詞を吐く男2人にラードルは溜息を付いた。

『…すいません、私連れが居るので……他を当たってくれませんか…?』
「えー?お姉さん待たせるぐらいの奴なら放っておいて良くね?」
『嫌…急に居なくなったら連れが吃驚すると思うので……』

と、のらりくらりとついて行かないぞと、遠巻きに言うラードルに痺れを切らしたのか男2人は少し声を荒らげた。

「テメェ、ちょっと面が良いからって調子乗ってんじゃねぇよ!!つーか、テメェなんか下の下の下だ!!」
「…へぇ、何処の誰が下の下の下、何だ?」
「そりゃ勿論、此の…おん、な……」

だ、と男が言い振り向くと首元が青白くさせ震える程怯え始めた。
其の様子にラードルは溜息を付き、一芝居打とうとあ、と声を上げた。

『ちょっとマルくん、可愛い可愛いマルくんの彼女の私を置いて、何処行ってたの?』
「!…あぁ、御免御免、ラーちゃんを喜ばせたくてチュロス買いに行ってたんだよ。」
『えぇ!そうなの!なら、許す～～!…って、事なので!私達は此れで!』

そう言い、素早くマルフィの腕を掴み男2人の静止の言葉も聞かずに足早に去った。

❏

『っ、はぁぁ………何か、色々と疲れましたわ……。』

ナンパされた所からかなり離れた場所で本音をポロリ、と溢すラードルに対しマルフィはとても嬉しそうにニコニコ微笑んでいた。

『…何ですの、真逆私がナルフィストさんにベタベタした事が嬉しいんですの。』
「…あぁ、勿論だとも…真逆付き合う前にあんなデレてくれるラードルが見れるだなんて思いもしなかったからねぇ…」

うっとりとした表情でほぅ、と溜息を付くように言うマルフィにラードルは眉を顰めた。