□お酒は危険 ページ31
✴
佐野side
「飲みすぎんでよ」とは言ったけど、「いざとなったら助けて」と返された打ち上げ開始前。
彼女は主演で、更にこういうお酒の場に出るのも珍しいらしい。
ということは、や。
１時間後には案の定、俺の横には真っ赤になった朝ちゃんが居った。
「佐野くん、もう１杯？」
佐野「あ、俺はもう大丈夫です」
ちなみに俺も、 “デビューおめでとう” やら “映画いつ撮ってたの？” やら言われながら、かなり注がれた気がする。
悪い気はせんのよ。
やから危険なんやけど。
『……佐野、末澤くんか大吾くん呼んで』
佐野「はいはい」
女性スタッフさんに心配されながら、チーフに合わせてお酒を楽しむ朝ちゃん。
不安やけど、いざとなったらあの女性スタッフさんが助けてくれると思って、誠也くんに連絡するために席を立った。
あ、Aぇ! groupはみんな今東京におるよ。
いっぱいやることあるから。
末澤《Aが？ 珍しない？》
佐野「誠也くん来れる？」
末澤《こっちも手離されへんねん。タクシーじゃあかんの？》
佐野「俺、朝ちゃんの家知らんもん」
電話の向こうの誠也くんは「うんん…」と唸った後、大吾くんに連絡するように言った。
通話を切って、大吾くんにメールを送るけど、なかなか既読にならへん。
一旦朝ちゃんのところに戻ろうと、個室の扉を開ける。
佐野「あれ？ 朝ちゃんは？」
「要さんが連れていきましたよ」
佐野「なんでですか？ どこに？」
「 “佐野くんが迎え呼んでるから、先に降りていよう” みたいな……」
それを聞いて、俺は朝ちゃんのコートだけ掴んで店を出た。
✴
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 322人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：悠希 | 作成日時：2024年2月2日 19時
