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高校生の時の卒業式。
中学よりは、波乱は起こらなかったかな？
下駄箱を開けたら、綺麗に包まれた長方形の物があって
『…バレンタイン？』
いや、時期的にはホワイトデーだけど…
なんて、誰にもバレンタインをあげてないんだから、意味が分からない。
それと一緒に置いてあったカードを開く。
“卒業おめでとう。 大西流星”
流星くん？
包みを開けようとしたら、階段の方から誰かが降りてくる声がした。
すでに “卒業式 ✕ イケメン ＝ 危険” の公式が成り立っている私は、急いで靴を履き替える。
『ほぉ、ブレスレット』
母の運転する車の中で開封し、試しに手首に着けてみる。
華美すぎないデザインで、私の好みにぴったりハマった。
『んふふ』
流星「何？」
『んーん、かわいいね。流星くん』
流星「…そんなんやったら返して！」
『嫌だよ。初めての流星くんからのプレゼントなのに』
ギリギリまで学校にいた私と違って、式が終わってすぐ仕事に来た流星くんと長尾くん。
そもそも仕事があって参加できなかったみっちー。
私の高校生活はほとんど３人と一緒だった。
駿佑「朝日南さん」
『はい？』
駿佑「卒業式、行けなくてごめんなさい。卒業おめでとう」
✕ ✕ ✕ ✕
そう言って、みっちーから渡されたのはピアスだった。
――見たことないけど。
あ、いや、もちろん今も持ってるよ。
気まずいから着けなかったとかじゃなくて、開いてないから、ピアスホール。
大事に保管してるから、話に上がらなかっただけで。
丈一郎「ホンマか？」
駿佑「ごめん、開いてないって知らんくて。似合いそうやなってだけで選んだから…」
『ううん。開けたら、真っ先に着けるよ』
ライターさんは、微笑ましそうに私たちの会話を聞いていた。
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作者名：悠希 | 作成日時：2024年2月2日 19時
