＊ ページ44
.
ほら
傷ついた心は、もう納めてしまってる
こうやって、あんたは今日も
完璧に仕事をこなすんでしょ
たしかに、同じかもしれない
周りから言われてチクチクと疼く心を
自分の中に仕舞い込んで
平気なフリをする
私も、そうしてきたから
でもそれってさ
結構、しんどいことなんだよ
.
.
.
兄「……葉月さん、申し訳ありません。」
２日後、時間通りに現れたお兄さんは
２日前と同じ場所に座り
私に向かって
そう、口にした
.
.
「…えっ、と……」
それは一体どう言う…
兄「うちの病院がこんなにお世話になってる方のご令嬢の執事が、まさか弟だったとは思いませんでした。初めて聞いた時は…肝が冷えるたというか……本当に申し訳ない。」
申し訳ない…か、
「お兄さんが、謝ることでは…」
兄「いえ、兄として謝るべきことです。弟は、昔から手のかかるやつで…何をするにも、私や両親の意に反することしかせず…とにかく周りに面倒をかける才能だけ秀でているというか…お恥ずかしい限りです。」
口調は穏やかで
私相手だからか、表情も朗らか
でも
やっぱり出て来るのは、永瀬を否定する言葉ばかり
隣で黙ってる永瀬は
ピクリとも動かない
「ぁの、お兄さ…
兄「だから無理なんです。執事なんて、人のために働くことが命のような仕事、弟に務まるはずかない。こんなやつが仕えて、もしあなたに何かあったら……、」
「それは、医者の仕事も同じじゃ…」
兄「え、あぁ…まぁたしかに。ですが、幸いうちは両親も、私も、全員医者です。なので何かひとつくらいなら、弟に人様の迷惑にならない仕事をさせることは出来ます。うちのミスは、うちでカバーするのが最善でしょう。」
「ミスっ、て…」
兄「何をしても、ろくなことにならない。私たちが用意した完璧なものを、こいつは全部無駄にしてきたんです。もう、これ以上うちの病院を汚すようなことはしたくない。お世話になっている浅野さんや、そのご家族の皆様に…弟が関わることは、危険でしかありません。ですので…」
兄「廉は、うちへ連れて帰ります。」
テーブルの上のカップからは
もう湯気も上がってない
まるで、私たちに流れる空気を読むかのように
あっという間に冷めてしまった
こんなにも
誰かのことで、悲しいと感じるのは
初めてだった
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 449人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ほるる(プロフ) - 美紗さん» 今作もありがとうございました！美紗さんのメッセージが、いつも私の励みになっております。本当にいつも嬉しいです。実写…笑汗 脳内でぜひ…。お互い気をつけて過ごしましょう！ (2022年1月10日 1時) (
レス) id: 98fd67c86b (このIDを非表示/違反報告)
美紗 - ps私の体調まで…気遣ってくださり、ありがとうございます(o^o^o) (2022年1月10日 1時) (携帯から) (レス) id: db94f04552 (このIDを非表示/違反報告)
美紗 - 更新、ありがとうございます!!いやー廉くんと葉月ちゃん…キュンです!! 実写してほしいくらいです…。 コロナもまた、流行りだしたので…ほるるさんも気をつけて…。 (2022年1月10日 1時) (携帯から) (レス) id: db94f04552 (このIDを非表示/違反報告)
ほるる(プロフ) - 美紗さん» 本当に寒いですね。コロナもまたやばくなってきてるので、美紗さんも気をつけてください！更新頑張ります！ (2022年1月8日 21時) (レス) id: 98fd67c86b (このIDを非表示/違反報告)
美紗 - 更新、ありがとうございます♪ 寒い日が続いてますので、体調に気をつけて頑張ってください！応援してます(^_-) (2022年1月8日 18時) (携帯から) (レス) id: db94f04552 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ほるる
| 作成日時：2021年10月22日 22時
