僕的生き方

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みなは、圧倒的だ。


歌もダンスも演技も、踏んできた場数も知名度も人気もオーラさえも。


全てがジャニーズJrという枠を超越している。


みなに見合うジャニーズJrはいない、だからこのままソロでデビューしてしまうのではないか。


なんて大人たちの間でも、同じジャニーズJrの中でも囁かれている。


そんなみなが、何故俺たちの中に入ることになったのか。


俺とふっかは挨拶をする仲ではあるけれど、特別仲がいいわけでもないし共演歴だってそんなにない。


滝沢くんは、ジャニーさんの勧めだと言っていた。


ジャニーさんのことだから理由はよく分からないけど、と。


みなと面談をし、スタッフの間でもよく協議された上で加入が決まったから、無責任に加入させる訳では無いと滝沢くんは言った。



阿「…佐久間、俺らみなのバックになるのかな。」


佐「バック？」


阿「水上AとSnow Man、みたいなさ…笑」



笑ってみたけど笑えなかった。


だってそうなる未来しか見えないから。


仮に事務所からの扱いが7人平等だったとしても、世間から見た俺らはスキル的にも知名度的にも"水上Aとその他"になるしかないのが現況だ。


そして事務所からの扱いが平等であるわけがない。


みなの引き立て役になるのか、なんだそれ、悔しい。


悔しいけれど、やめろと強く言えない圧倒的な差がある。


夕暮れの一本道を、佐久間とダラダラ歩く。


足が重すぎる。



佐「…阿部ちゃん、俺、諦めたくないよ。」


阿「え？」


佐「まだ水上くんが入る前から諦めたくない。
俺はジャニーさんが、事務所の人達が、俺たちに期待して水上くんというジャニーズのエースを預けてくれたと思いたい！」


阿「…佐久間。」


佐「俺負けないよ、とっとと水上くんに追いつく。
そんで7人でもっと上を目指す。」


阿「………佐久間と話す元気出るな笑」


佐「何それー笑」



何事もポジティブに。


そう意識していないと可笑しくなりそうなくらい、日々辛く理不尽なことがあるのがこの世界だ。


みなという存在を預けられた、誇りに思うべきだ、そうだ。


大丈夫、だいじょうぶ。



佐「阿部ちゃん、俺らの意見は固まったよね？」


阿「…うん、受け入れよう。」



怖くて仕方ない、けど、仕方ない。








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