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Heaven`ｓ gate-天国の門-8/N ページ8

痛くて････

苦しくて･･････

ぼんやりとしていた頭で見つめるのは

綺麗な淡い青色･･････

なんだろう････？

あの光････････

わからない･･･････

わからないけど

あの青い光が･･･････

この最低な状況から

自分を救ってくれるような気がした｡

・

・

バチン!!!

強烈な破裂音を耳にして、オレは我に返った｡

手首を拘束していた金属が粉々に砕けていて、体を起こすことができる｡

手首は金属ですれて痛かったけど、粉々に砕けた金属がどうしても不思議でオレはそれをじっと見つめていた｡

｢大丈夫？ニノ｡｣

ふにゃあって笑ってオレを見つめる一人の男｡

よく知ったその人の笑顔｡

｢あ･･･､大野さん･･･｡｣

声は名前を呼ぶのに、オレは彼に今までにない違和感を感じた｡

イヤ･････､

絶対的な････普通の人間にはありえないような力を発しているその人に恐怖すら感じている｡

｢大丈夫？まだ苦しい？｣

心配そうにオレを見つめて、小首をかしげている｡

｢ん･･･､もぅ大丈夫｡
それより･･･大野さん、目･･･｡｣

そう呟いたオレに

｢あぁ、知ってるよ？｣

自分の目元に指を這わせて微笑んだ後、

｢あの機械のせいでニノは苦しんだの？｣

オレの体に取り付けられた配線の先にある機械を無表情にじっと見つめた｡

淡い青をその瞳に湛え、今まで見せたことない冷たい顔で機械を見つめる｡

瞬間、機械が火を噴いた｡

天井を這っている鉄パイプがひしゃげ、形を変えて床に落ちる｡

オレに取り付けらていた線はブチブチに千切れ、大野さんが立っている場所から放射状に床がひび割れ、壁にまで割れ目が入っていく｡

『完全覚醒』

さっき小城と鏑木が言っていた言葉が頭の中で踊っている｡

あぁ･･･

大野さんがあり得ない力でこの部屋の全てを壊していく｡

さっきまでの無自覚な状態ではなくて

はっきりと意識して眠っていた能力を使っている･･｡

それをオレはぼんやりと見つめる｡

そして･････

大野さんがガラスの向こうでオレ達を見つめる白衣の連中を淡いそら色の瞳に映す｡

｢あいつらがニノを苛めたの？｣

そう短く呟くとガラス越しの連中に細い指を伸ばした｡