affection-情愛-2/O ページ44
目が覚めて飛び込んできたのは
鮮やかな黄色
ラバー材で覆われたそこは
眠る前に起きたことが
あぁ
やっぱ全部『現実』だったんだなって
思い知らせてくれる
俺の肩に遠慮がちに頭を預けて
すやすや眠るソイツは
いつもなら逆に寝てる俺を起こすのにね
今は、全然起きる気配すらない
ソイツに起きた全ての事実が
憐れなまでに疲れさせたんだって
すぐに理解できた・・・・・・・
座り込んだまま
幼さすら感じる寝顔をじっと見つめれば
みるみる間に
大粒の涙が溢れて
ぽたん、ぽたんって
俺の服に落ちて
小さく滲んでいった
それを見た瞬間
ドキンって心臓がバクついて
思わず指で涙を拭うと
小さくイヤイヤってするみたいに
ソイツが顔を左右に振る
今度は乱れた前髪を
すくうように指でかきあげれば
「う・・・ん・・・・・。」
眠たげに小さな吐息を一つ漏らす
「ニノ」
名前を呼んで肩を揺すれば
涙でぬれた睫毛をゆっくりと持ち上げる
「ニノ」
もう一度呼べば
ゆらゆらと黒い瞳を揺らして
俺を捉える
「大野さん・・・・。」
俺の名前を呼んで
頭を抱えてかぶりを振るその姿は
まるで怯えているようで
なんだかいつものソイツより
酷く
弱々しく見えた
affection-情愛-3/N→←affection-情愛-1/N
ラッキーナンバー
8
278人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時