sweet soul 7/S・A ページ42
-Sside-
落ちつけ・・・・
落ちつけよ、おれ・・・・・
よく考えるんだ・・・・
冷静になって考えるんだ・・・
火を消すにはどうすればいい?
この部屋の酸素がなくなれば炎は消えるか・・・
待て・・・・
そしたらおれも相葉君も
窒息しちゃうじゃないか・・・・
どうしたらいい?
どうすればいい・・・?
・
・
そうだ・・・・・・・・。
火を消すにはあれだよ・・・。
典型的な極性分子で・・・・・
水素結合を形成していて
分子構造をモデリングすると
ほぼ球体の形をしてて・・・
液体の状態でもクラスター形成したり
いろんな化合物と水素結合できる
生命になくてはならないもの・・・・
・
・
「H・・・・・2・・・・・O・・・・・。
・・・・水・・・・・
・・・・・・・・・水。」
・
・
・
・
-Aside-
ザァァァァ・・・・・・・・!
翔ちゃんが小さな声で呟いたのと同時、どこからともなく霧のような細かな雨が空間を満たした。
優しい雨があたりをぬらし、火は勢いを失いゆるゆると消えていく。
・・・・スプリンクラー?
焼けこげた天井を見ても、どこにもそんなものついていない。
オレは目の前の翔ちゃんに視線を戻した。
・・・・翔ちゃん。
あぁ、なんて綺麗・・・・・。
真っ赤に瞳を染めて
まるで燃え盛るルビーみたいだ・・・。
思わずそっと指を伸ばし、頬に触れたおれに翔ちゃんは呟く。
「おれ・・・
なんとかしなくちゃって思って・・・・。
すげぇ考えて・・・・・
頭の中で水分子の構造を思い描いたんだ・・・。
そしたら・・・・。」
翔ちゃんはオレの腕の中で
信じられない・・・・
そんな表情でまわりの様子を見つめる。
未だ雨はやむことを知らず、翔翔ちゃんの栗色の髪を滑り落ちていく。
「翔ちゃん・・・、コレ・・。
翔ちゃんがやってるの?」
不安げに赤い瞳をゆらゆらと揺らめかせ、翔ちゃんはゆっくりと首を縦に振った。
『素晴らしい!!
実に素晴らしい!!!
タイプ-02完全覚醒だ!!
二宮君といい、大野君といい・・・
君達嵐はパーフェクトだよ!!!』
マイクを通した小城の笑い声だけが、静かな雨が降るオレ達の間をこだましていた・・・。
affection-情愛-1/N→←sweet soul 6/S
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時