spiral-螺旋-15/J ページ31
街は未だ眠ることを知らず、道路にはたくさんの車が行きかい、人々が眠らない街を闊歩する。
俺はそんな中、歩いている人達をかき分けるように走り抜ける。
家路を急ぐ人々
気持ち良さそうに酔っぱらってるサラリーマン
しなだれあってくっついて歩く恋人達
それぞれの生活を押しのけるように俺は走り続け、背後からは公安の連中が追いかけてくる。
「何?なにかあったの?!」
「事件?」
「何かの撮影?」
追いかけっこをする俺達を街を行きかう人達は不思議そうに見つめている。
・・・くそ
アイツら、全然走るペースが落ちねぇ。
息が上がってきた俺に対して、全くスピードが落ちない連中との差はどんどん縮まっていくばかりだ。
じりじりと間合いを詰められることに対して、生理的な恐怖が襲う。
逃げないと・・・
逃げないと・・・・・
助けないと・・・・
絶対に逃げて、ニノとリーダーを
助けてやんないと・・・
こんなとこで
捕まってる場合じゃないんだ・・・!
・
・
・・・何だ?
なんでだ・・・?
あぁ・・・・・・・
目の奥が焼けるように
・
・
痛い・・・・・・・・・。
焼け爛れるような目の痛みを感じたのと同時、目の前の交差点の信号が全て青に変わった。
四方から車が突っ込んで、交差点の真ん中で派手に衝突する。
そのうちの一台が、追いかけてきていた公安の連中に突っ込んだ。
「う・・・わぁぁぁ!!!!」
「大丈夫か?!」
「何とか・・。
こっちも・・・
運転してる奴も無事だ!!」
「何だ?!何が起こった!!!」
「判らん・・・!
今、急に信号が全部青に変わったように見えたぞ!!」
「・・おい、潤が逃げるぞ!!」
「内調の奴らに連絡しろ!!
潤はDポイントに逃走中だ!!」
・・・逃げる俺に背後でけたたましいクラクションと男達の声が聞こえた。
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時