spiral-螺旋-11/S ページ27
崩れ落ちるおれを・・・・・
相葉君の力強い腕が抱きとめる・・・。
「翔ちゃん!!翔ちゃん!!!」
必死でおれの名前を呼んで・・・。
なんか涙ぐんで・・・・・・・・・・
ぼんやりと霞んでいく意識の中で・・・・
相葉君の体温だけがやけに心地よくて・・・・
きつく抱きしめる相葉君の胸に
思わずしがみついた・・・・。
「翔ちゃんに・・・何した?」
「翔ちゃんに・・・・何した!!!」
相葉君の声が耳に舞う・・・・。
へぇ・・・・・めずらしいな・・・・・。
こんなに相葉君が怒るなんて・・・・。
いつも笑っている心はガラス、元気いっぱいキャラのよく知った相葉君の顔を見つめながらぼんやりと考える・・・・。
怒りに歪めた顔に・・・・・
澄んだ瞳だけがやけに綺麗で・・・
その瞳にそっと手を伸ばした・・・。
相葉君・・・・。
いつカラコンなんて入れたんだろう・・・・?
その瞳は深い緑色をしていて・・・
まるで宝石のように輝いている・・・。
そして次の瞬間
燃えるような熱に包まれて
男達の絶叫がこだました・・・・。
重たくなった瞼を無理矢理にあけて周りを見れば
自分達を中心にして一面が火に包まれている。
・・・何だ?コレ。
何だ?コレ・・・・。
だいぶ薄らいできた意識で必死に考える。
おれ達を中心にして起きた火の海は、まるで自分を守るように辺りを舐め尽していく。
暗闇に堕ちていくおれの視界は・・
白くぼやけて・・・
相葉君の顔も見えなくなる中で・・・・
深い緑色の瞳を見つめながら
温かな体温に包まれながら
おれは意識が途絶える最後に理解する・・・。
相葉君だ・・・・・・。
相葉君がやったんだ・・・・。
見えちゃいけないものが見えたり・・・
ミラクル起こしたり・・・
前からタダモンじゃないと思ってたけど・・・・
この火の海は相葉君がやったんだ・・・。
こういうの、なんていったかなぁ・・・
昔、本で読んだことがあった・・・・。
あぁ・・・そうだ・・・・
こういう能力のことを
『発火能力』
『パイロキネシス』
って言うんだった・・・・・。
spiral-螺旋-12/A→←spiral-螺旋-10/S
ラッキーナンバー
8
278人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時