spiral-螺旋-9/S ページ25
「相葉君・・・・。」
「・・・・ところでさ、
翔ちゃん・・。」
「何?相葉君。」
「ちょっと降りて貰っていい?
立ちあがりたいんだけど・・・」
「へっ?」
よく状況を見てみると、ゴミの山の上でおれは相葉君の膝の上でお姫様抱っこされたような状態で座っていて相葉君の首に腕をまわしていた。
「//わっ!ゴメン!!」
思わずはねのけるように立ちあがったおれに、相葉君は苦笑交じりに立ちあがる。
「そんなビックリしなくてもいいのに。
それより翔ちゃん、どっこも痛いとこない?」
「うん、相葉君は?」
パンパン埃を払う相葉君に言葉をかけると、
「大丈夫、何ともないから。」
力強く頷いた。
・
・
「ね、ここからどうやって逃げる?」
「路地裏伝いに様子を伺いながら逃げよう。
こっち側にはさっきのスーツ達もいないみたいだけど、油断しない方がいい。」
「・・・判った。
じゃ、行こう。」
相葉君は短く返事をすると、守るようにして自分の背中でおれを隠しながら進んで行く。
「ねぇ、おれ女の子じゃないんだから(笑)
そんな気ィ遣わないでよ。」
思わず口をついて出た言葉に、相葉君も微笑みながら答えた。
「でも、オレ松潤と翔ちゃん守るって約束したからさ。
つい・・・ね。」
目線は先を見据えたまま、やっぱりおれを隠すようにして相葉君は進んでいった。
・・・ふいに相葉君の歩みが止まる。
「どうした?」
おれの問いに
「マズイ・・・、スーツ男だ。
昼間の連中、こっち側にもいたのか!!」
相葉君は、真剣な顔でその先にいるスーツ男達を見つめる。
二歩・・三歩・・・・
じりじり後退していく相葉君は、足元に置いてあった酒瓶に気付かずそのまま倒してしまった。
派手な音を立てて割れた瓶の破片が、足元に散らばる。
「しまった・・・!!」
「いたぞ!!あそこだ!!!」
「ヤバい・・・!」
考えるより早く相葉君はおれの手を取ると、そのまま脱兎のごとく駆け出した。
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時