Heaven`s gate-天国の門-12/O ページ12
強烈な衝撃を感じて床に伏した俺に、ニノが這うようにして近づいてくる。
「リーダー・・・リィ・・ダァ・・!!」
ぼんやりした視界で見つめれば
ぽろぽろ ぽろぽろ
頬を伝う涙を拭うこともせず
必死で体を引きずるように俺に向かって這ってくる。
まだ体が痺れて
痙攣して自由の利かない手を
近寄るニノに伸ばした。
傍に座って俺を抱き起こしたニノの頬に触れると
涙が指伝いに伝わって
こっちまで胸が締め付けられた。
「泣くなよ・・・・。」
ニノの乱れた髪を撫でつけて
何でもないって顔で無理矢理笑って見せる。
「泣くなって・・・。」
「・・・・・・・・ん。」
鼻を啜りながらニノが短く頷くのを確認した次の瞬間、自分の腹部に強烈な激痛が走った。
「この化け物!!!!
おかしな力を使う化け物の分際で、お前に人間としての権利があると思うな!!!」
目の前の大柄な男が、狂ったように俺の腹部を蹴り上げる。
「が・・・!あっ・・ぐぁぁっ!!!」
何度も何度も気が遠くなるくらい蹴りあげられ、腹の底から込み上げた血を思わず吐き出した。
・・・吐き出した俺の鮮血が床を真っ赤に染め上げる。
「やめろ!!やめろよ!!!」
半狂乱になって泣き叫びながら、ニノは男の足元に縋りつく。
男はそんなニノの髪の毛を掴んでそのままひっぱりあげた。
「お前も・・・
化け物なんだろ?」
厭らしい笑みを口元に湛えて、男はそのままニノを放り投げ、壁に叩きつけた。
華奢な白い体は壁に打ち付けられ、毬のように弾む。
「ニノ!!!!!!」
ニノは壁にもたれたまま、俯いて口元の血を拭う。
「ニノに・・・手ェ出すな!!」
ガクガク笑って言うことを聞かない足をなんとか奮い立たせて目の前の男を睨みつけた。
・・・泣かすなよ。
ニノのこと、泣かすなよ。
ずっと自分の力のことで苦しんできたんだぞ?
ニノのこと・・・
なんにも知らないクセに
どんだけイイ奴か
知りもしないクセに
化け物とか言って
傷つけんじゃねぇ・・・!!
「傷ついて力が出せないお前なんか怖かねぇよ!!」
男が俺に掴みかかろうとしたその時遮るようにニノの低い声が舞った。
「・・・消えろ。」
壁にもたれたまま男を睨むその瞳は・・・
金色に輝いていた・・・・。
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作者名:あさり | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/a-ground/
作成日時:2012年3月26日 22時