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Heaven`ｓ gate-天国の門-11/N ページ11

オレ達と白衣を着た連中を隔てていたガラスは、大野さんがそっと指を伸ばした瞬間、強烈な振動と共に粉々に砕け散った｡

そして･････

向こう側に狂気じみた笑いを浮かべる小城と、恐怖で顔をひきつらせた鏑木が大野さんを見つめる｡

｢ニノ･･･､アイツらがお前を苦しめたんだろ？｣

｢････････｡｣

オレは圧倒的な力を見せる大野さんに言葉が出ないでいた｡

大野さんは再び、小城と鏑木に向けて繊細な細い指を伸ばした｡

掌を開いて指を反らせて、彼は静かに２人を睨む｡

瞬間、リーダーからまるで地走りのようななにかが２人のいる場所に放たれた｡

目に見えない何かが、彼らに向かって床のタイルを巻き上げながら進んでいく｡

｢きゃあぁぁ!!!!｣

白衣を着た連中から悲鳴が上がる｡

リーダーから放たれた衝撃波は、そこにあるであろう機械類を破壊し、向こう側では火の手が上がっている｡

ふいにリーダーを見つめる小城の口角が不気味に上がった｡

違和感と恐怖がオレの体を包む｡

白衣を着た若い男が、背後からリーダーに襲い掛かった｡

｢リーダー!!後ろだ!!!!｣

振り向くより早く、リーダーより遥かに大柄な男が背後から何かを彼の体に押し当てた｡

｢あっあぁぁぁっ!!!!｣

体を仰け反らせて甲高い悲鳴を上げながら、大野さんの体が崩れ落ちる｡

｢はは･･ざまあみろ!!
この･･･化け物!!!｣

そう叫んだ男が手にしていたのはスタンガン｡

電流を体に流された大野さんは、鳶色の瞳に苦悶の色を浮かべて床に突っ伏した｡

｢リーダー･･･リィ･･ダァ･･!!｣

涙が･･･こぼれ落ちる･･･｡

『化け物』

必死でオレを守ろうとしてくれた人の傷ついた姿と、その人へ吐かれた暴言に悔しくて悔しくて･･･｡

オレはこぼれる涙を止めることが出来なかった｡

寝かされていた台から、転がるように降りて力の入らない体を引きずる様に這いつくばってリーダーの方へと向かう｡

･･･オレが何した？

リーダーが何した？

お前達に何をした？

一体何の権利があってこんなことする？

････ここにいる奴らなんかいなくなればいいのに｡

目の前でオレ達を苦しめている奴ら

みんな･･･････

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･･･････死んじゃえばいいのに｡