五条家の落し物4【呪術廻戦】

170 - 番外編 ページ10

【タイムスリップ？】 謎の呪具


＊


タイムスリップをする。

と、いう噂が立っている呪具があるらしい。

それを金儲けに使っていた呪詛師から今さっき回収したところだった。
5cm程度の正方形の小さな箱。
どうやらこれがその呪具らしい。


五条
「タイムスリップねぇ…。」
「にわかには信じ難いなぁ。」


A
「…なんでいんの。」


五条
「タイムスリップする呪具なんて珍しいじゃん？」
「だから僕も見てみたいなーって。」


たぶん、この呪具の効果が本当かどうか。
危険な物ではないかを見に来たんだろう。
世界の秩序を壊しかねない物は、即刻処分しなければならない。
タイムスリップなんて物が実在した日には、犯罪に悪用されたり、大騒ぎになる事間違いなしだ。
悟はそれの見極めみたいなものだろう。大変だなー。


五条
「動かないねぇ〜コレ。」
「何か発動条件でもあるのかな？」


ボコボコにされたうえ、ぐるぐる巻きに縛られた呪詛師に蹴りをいれながら尋ねる悟。
ボコボコにしたのは私だけど、そんな勢い良く蹴らなくてもいいのでは？ちょっと可哀想。


五条
「ほーら、教えなよ〜。」
「さっきから黙ってないでさぁ。」


おおう、蹴る力がドンドン強くなってますよ悟さん。


呪詛師
「誰が、教えるかッ！」


五条
「いいのかなぁ、そんな事言って。」


呪詛師
「あの金は全部儂のものじゃ！！」


どうやらこの呪詛師は金儲けが目的で、実力はないに等しかった。
多分、相当な額を隠し持っているだろう。
この呪詛師から絶対に話さないという気迫すら感じる。
金への執着が凄いな、冥さんか。


呪詛師
「…俗世から、渇望する程の在りし日へ。」
「…さぁ、渡り鳥達よ、迷い込め。」


呪詛師のしわくちゃな唇が小さく言葉を放った。

すると、その言葉に反応して私の手の平にある小さな箱に突如として呪力が走った。


五条
「A！」


その瞬間、私達は暗闇に包まれた。
意識が混濁していく。

その中で呪詛師の渇いた笑い声が聞こえた気がした。


＊


在りし日へ。

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