108 - 本編 ページ48
【昔の話3】 俺達は最強だった
*
日本にいる特級術師4人のうちの2人。
僕と、夏油傑。
A
「夏油傑ってあの…?」
五条
「そ、百鬼夜行を起こした最悪の術師。」
傑は僕の親友だった。
最初は僕と、傑と、硝子の3人だった。
喧嘩したりして担任に怒られたりしたけど、それなりに上手くやっていた。
僕らが2年の時の担任が今の学長、夜蛾正道。
僕が高専2年生の時、ある任務を任された。
星漿体、天元様とその適合者その少女の護衛と抹消。
何度か邪魔が入ったりしたが、上手くいっていた。
最後までは。
星漿体が天元様と同化の一歩手前で、襲撃があった。
呪力が全くない男。
その男に僕は殺された。
A
「…え、殺された…?」
喉から腹まで切り裂かれて、トドメに頭に一発食らったよ。
まあでも、喉ぶっ刺された瞬間に反撃は諦めて、反転術式に全神経を注いだから今生きてるんだけど。
僕が回復していたその間に、傑は襲われ、護衛対象だった少女は殺された。
傑の目の前でね。
それからだよ。
傑がおかしくなり始めたのは。
最初は僕も気づかなかった。
元気がないのは気付いていたけど、きっと暑い夏のせいだと思ってた。
でも、違った。
傑は■■村の人達を全て皆殺しにし、自分の親までも殺した。
理由は、術師だけの世界を作るため。
アイツは非術師達に絶望したんだ。
守る価値のないゴミ共と。
*
それからはAも知ってると思うよ。
百鬼夜行を起こした夏油傑は高専を2度に襲撃し、今の2年、乙骨憂太にやられた。
五条
「そんで最後に傑にトドメを刺したのが僕。」
全てを話してくれた悟は、いつもと変わらない表情でそう告げた。
A
「…色々あったんだね。」
色々考えて捻り出した言葉がこれだ。
こんな言葉では収まらないほどの苦悩がきっと彼を襲っていたんだろう。
五条
「ね、言ったでしょ?面白くないよって。」
そう言った悟はケーキをひと切れ、口に運んだ。
*
過去。
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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時