107 - 本編 ページ47
【昔の話2】 五条side つまんない話さ
*
A
「ずっと気になってたんだけどさ。」
五条
「ん?」
A
「悟の高専時代の話。」
五条
「うん。」
A
「聞いたことないから気になってたんだけど。」
「教えてよ。」
五条
「別にそんな面白い事なんかないよ。」
本当に聞いても面白いことはない。
Aにあまり重い話はしたくない。
五条
「おっ、このケーキも結構いけるね。」
どうでもいい事ではぐらかす。
少し大人気ないかも知れないが別にいい。
A
「いいから教えてよ。」
五条
「もうAったらそんなに僕の事が知りたいの?」
「…体で教えてあげようか?」
椅子から立ち上がり、彼女の顎を持ち上げ唇がくっつきそうなぐらい顔を近づける。
左右で違う色の眼が僕を捉える。
元々の綺麗な顔に映える、左右違う色の眼。
とても綺麗だ。
A
「うっさい変態。」
五条
「いいじゃん夫婦なんだし。」
左手の薬指にそっとキスを落とす。
冷たい金属が僕の唇に触れる。
A
「いや、夫婦ではないから。」
五条
「え〜、もう夫婦同然じゃーん。」
A
「やかましいわ。」
のらりくらりと交わし、いつものようにおどける。
A
「高専時代楽しくなかったの?」
五条
「…いいや、凄く楽しかったさ。」
むしろ凄く楽しかった。
硝子と傑と3人で過ごした高専時代はなにものにも変え難い。
3人でバカをやって夜蛾先生にめちゃくちゃ叱られたのも懐かしい。
A
「教えて。」
じっと僕を見つめるA。
聞いてもいいことなんかないのに。
五条
「どうして?」
A
「どうしても。」
五条
「理由を教えてくれないとやだなぁ。」
A
「…すっ。」
五条
「す?」
A
「…好きな人の事を知ろうとするの駄目?」
色違いの瞳が僕をじっと見つめる。
五条
「……。」
彼女は彼女なりに僕を理解しようとしてくれてるのか。
確かに以前の彼女だったら僕の過去なんかどうでもいいと笑って一蹴しただろう。
A
「…悟?」
五条
「待ってAが可愛すぎて襲いたくなった。」
A
「うるさい、はよ話せ。」
*
11年前。
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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時