96 - 番外編 ページ36
【七海建人の溜息】 同行
*
A
「建人さんこの人どうにかして。」
七海
「無理ですね。」
サングラスの奥の瞳はきっと呆れ返っているだろう。
私も自分の先輩がこんなデレデレしてたらやだもん。
なんならドン引くレベル。
A
「朝からこの調子でもう疲れたよー。」
「建人さん助けてー。」
高い背を屈め、ベッタリと私に抱き着く悟。
朝からずっとこの調子である。
いい加減やめていただきたい。
A
「建人さぁん〜。」
七海
「では、写真を撮って警察に突き出しましょうか。」
五条
「七海それはダメ。」
「僕真面目に捕まる気がする。」
A
「わかってんならやめてよ。」
今日は建人さんの任務に同行するだけだからまだいいけど、明日は高専行くからずっとこの調子だと困る。
野薔薇とか真希さんに殺されてもおかしくない。
いや、むしろボコボコにして貰おうか。
七海
「そろそろ行きますよ。」
「五条さんは自分の任務に行ってください。」
A
「そーゆー事だからっ!」
悟の腕の中から無理矢理抜け出し、建人さんの後ろに隠れる。
A
「ばいばーい。」
建人さんの後ろから笑顔で手を振ってあげた。
五条
「A〜…。」
叱られた子犬みたいにシュン…ってするな。
28歳だろうが。
可愛子ぶるのはやめたまえ。
*
七海
「正直驚きました。」
「まさか本当に付き合うとは。」
A
「私もびっくりー。」
最初はこんな事になるなんて全く想像もつかなかった。
人間って変わるもんだねー。
七海
「…まさか無理矢理じゃないでしょうね。」
A
「…残念ながら、合意です。」
ギョッという顔をされる。
聞いたら誰でもこういう反応するだろうな。
七海
「…何か酷い事でもされたら言ってくださいね。」
そっと頭を撫でられる。
建人さんは私が高専に引き取られた後に悟が紹介してくれた人だ。
それからちょくちょく交流があって、たまに会った時は可愛がってもらっている。
素っ気なく見えるけど、これがこの人なりの優しさだ。
A
「よーし、任務頑張っちゃうぞー!」
七海
「あなたはサポートに徹して下さい。」
A
「はーい。」
七海
「それでは行きますよ。」
颯爽と歩き出す建人さんの後ろを慌てて追いかけた。
*
五条
「あー、七海にA取られたー。」
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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時