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77 - 本編 ページ17

【稽古7】 速さ





A
「真希さぁーん!」


少し遠くに見えた真希さんにブンブンと手を振る。
あ、パンダさんと棘さんも一緒だ。


真希
「うぉ!?どうしたA!泥だらけじゃねぇか!」


パンダ
「きったね。」


A
「パンダさんこのまま抱き着いてあげようか?」
「泥だらけにしてあげるよ?」


真希
「んで、なんか用か?」


A
「あー、稽古つけて欲しくて…。」
「…もしかしたら今からどっか行く?」


狗巻
「しゃけ。」


真希
「悪ぃな、今から任務だ。」


A
「そっか、しょーがない。」
「行ってらっしゃーい。」


ばいばーい。と、手を振って見送ってあげた。





恵も野薔薇も用事があると言って断られたし、2年生も皆、忙しそうだ。
誰かに稽古の相手して貰いたいんだけどなぁー。


A
「あ。」


虎杖
「ん?」


A
「いた。」


虎杖
「え、なに?」


朝からどっかに行ってたであろう悠仁を発見した。





A
「はっや…!」


悠仁に頼んだ事を少し後悔した。


A
「ちょ、ちょっと…!」


もしかしたら真希さんより速いかもしれない。
悠二の拳がチリッと頬を掠める。


A
「待って!」


虎杖
「どした?」


A
「眼帯外す!少し本気でやろう。」


眼帯を外しポケットへとしまう。
これで少しはマシになるといいんだけど…。





さっきよりだいぶ動きが見える。
でも見えた所で、私の身体能力が上がるわけでもないし、悠仁が弱くなるわけでもない。
拳を避け、悠仁の頭を狙い蹴りを入れる。
足は空を切り、下に避けた悠仁から蹴りを貰う。


A
「っ!」


前髪が少し掠ったが、避けれた。
うん、眼は今日も良く見える。





虎杖
「…A、大丈夫か?」


悠仁はそう言って、地面に大の字で転がっている私を心配そうに覗き込んだ。


虎杖
「ほい、水。」


A
「あ、ありがと…。」





何食ったらあんなスピードとパワーが付くんだ?

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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時

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