76 - 本編 ページ16
【稽古6】 悟と稽古
＊
A
「おわっ…！」
着地のバランスを崩し、ゴロゴロと地面を転がる。
五条
「A！大丈夫？怪我してない？」
A
「…それ、毎回聞いてくるのやめてくれる？」
悟に稽古をつけてもらっていた。
毎回毎回、吹っ飛ばされる私を気にしてくる。
いい加減しつこい。
＊
五条
「体術を教えろ？」
A
「そ、今度こそ稽古つけてよ。」
五条
「えー、めんどくさー。」
イラッ。
A
「この間、恵につけてたじゃん。」
「なんで私には稽古つけてくんないワケ？」
五条
「だってAに怪我させたくないし〜。」
イラッ。
五条
「Aが何かご褒美くれるならいいよ。」
イラッ。
五条
「…あー、でもやっぱやだなぁ。」
「僕のお嫁さん自分で傷物にしたくないしなぁ。」
A
「ご心配どうもっ！！！」
イライラのピークに達したは私はそのまま飛びかかっり、冒頭に至る。
＊
A
「てか無限解けよ！」
「攻撃当たんないんだけど！？」
五条
「だってA本気じゃん。」
「僕だって刀で斬られたら痛いよ〜。」
A
「うるせえバカ！」
悟まで一気に近付き、刀を振るう。
無限でゆっくりと動きが遅くなる。
A
「そっちがその気なら、無理矢理解いてやる。」
悟が意識を集中しているだろう刀からパッと手を離し、手で無限に触れる。
A
「術式解除。」
五条
「！」
よし、消えた。
足に着けているナイフを素早く抜き取り、そのまま悟目掛けて横一直線に振り切る。
だが悟はナイフを持った方の手首を掴み、
五条
「させないよ。」
そう言って私をぶん投げた。
勢いよくぶん投げられた私は、本日何度目か地面をゴロゴロと転がった。
あー、口に土入った。
オッエー、まずぅ…。
五条
「あ、またやっちゃった。」
「A大丈夫？」
A
「大丈夫だっつーの！！」
五条
「嫁入り前の女の子にごめんね。」
「でも僕はAが傷だらけでも好きだよ！」
しつこい！と声を荒らげる私を見て、悟は楽しそうに笑っていた。
＊
A
「ムカつくぅ〜。」
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作者名：mito | 作成日時：2021年1月17日 0時
