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73 - 本編 ページ13

【稽古3】 思案





悟の言葉が頭の中でグルグルと回っている。


A
「…ヒントじゃなくて普通に教えろや…。」


悪態をつき、校舎を見回しながら恵達を探した。





A
「恵ぃー!」


釘崎
「あ、A。」


A
「恵、ちょっと付き合ってくんない?」


伏黒
「…え?」


A
「ちょっと式神出してよ。」


伏黒
「………稽古か。」


A
「そ!私の術式ちょっと見直したくて。」
「良かったら相手してくれない?」





振り下ろされる玉犬の爪を刀で弾いて、体勢を整える。


A
「あーー!!!わっかんない!」


刀を放り投げ、絶望する。
かれこれ1時間程玉犬を相手に戦っていた。


伏黒
「少し休憩にするか?」


A
「…そーする。」
「飲み物買ってくるよ!何がいい?」


伏黒
「水。」


釘崎
「私は一緒に行くわ。」





A
「野薔薇の術式って強いよね。」


とボタンを押し、飲み物を買う。
ガタンといって、落ちてきたものを手に取る。


釘崎
「え、なに急にどうしたの?」


ゴクゴクと飲み物を喉に流し込む。
冷たくておいしい。


A
「…ぷはっ…。」
「…私の術式は相手に触らないと意味ないからさ。」
「もうThe近接なんだよね。」


私の術式は相手に近付いて触れないと意味が無い。
近付くまでの攻撃は全て弾くか、避けるぐらいしか選択肢がない。


A
「野薔薇のは取れた腕とかでもいい訳じゃん。」


釘崎
「まぁ、本体との繋がりを辿るもんだからね。」


A
「…遠距離の攻撃手段があるのが羨ましいよ。」


恵の分の飲み物を買いながら、私の術式弱いな。って皮肉めいて言った。


釘崎
「私は逆にアンタが羨ましいわよ。」
「私は近接弱っちいから。」


野薔薇は私の頭をポンポンと叩き、


釘崎
「お互い足りない所は補えばいいのよ。」
「そんで弱点なくして、皆で強くなりましょ。」


と、ニコリと笑った。
そのイケメンぶりに思わず赤面する。
野薔薇が男だったら惚れてた。


A
「…野薔薇が男だったら絶対付き合うわ。」


釘崎
「へ?急に何よ。」





伏黒
「戻ってくんの遅いな。」

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作者名:mito | 作成日時:2021年1月17日 0時

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