ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ36)

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A side

照「どうした、運転できないのか？」

唐突に車のキーを渡される身にもなってほしい。
きっと深澤代表に借りたんだろう。

今日は2人で外勤だ。

『…シートベルトは？』

照「息苦しくて嫌い」

助手席に堂々と座ったくせにベルトを付けはしない。
ムッとした私は、彼のを勝手に付けた。

照「っ、」

『あ、ごめん』

…思ったよりも顔が近くて驚いたぐらい、何てこと無い。
直後に何故かココアを渡された。

『今日は小銭があったの？』

こくり、と頷いて蓋を開けてくれる。

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照「ウインカー出せ」

『車線変更はしないよ』

照「うおっ、気をつけろよアブねぇな
　無駄なブレーキは事故に…」

ぐちぐちうるさいから、車を端に寄せる。

『運転替わる？』

照「出来るもんなら替わってやる
　足が言うこと聞かなくて免許も取れねぇよ」

軽く睨んでから、目的地である石碑を目指した。

功績をたたえる

ここに追悼の意を

市民と共に…

照「…言葉が難しいんだよ、もっと簡単がいい。
　学のない俺でも読めるように。
　形にこだわって何になる？」

読めなきゃ慰霊碑の意味がない、と呟く気持ちもわかる。

照「もういいか。次はどこ？」

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