ただ愛する仲 Ⅱ【Hikaru.I】 (ページ15)

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A side

『地下水が多すぎるのも気になりますし、
　斜面があって安全面も不安です。』

辰「…大丈夫？」

『え、何がですか？』

辰「めめから聞いたよ。…何で黙ってたの？」

きっとあの穴に落ちたことだろう。
目黒くん話しちゃったんだ…。

『まぁ、大したことでは…』

辰「それでも、これからは何かあったら
　直接話してほしいんだ。」

いつもヘラヘラとしている彼が
物凄い真剣な顔で訴えてくるから、相当な事だったらしい。

辰「他の誰かからAちゃんの話を聞くのは…
　なんか嫌だから。
　俺が一緒に行くべきだったんだよなぁ。」

『いや、あの』

辰「怪我はない？」

『な、いです』

辰「ならいいんだけど」

本当は足をやってます、嘘は許して下さい。

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蓮「ほんと、ごめん…」

『いや目黒くんのせいじゃないもん』

蓮「お詫びにこれ、オールインワンの化粧水」

『…私にぴったりじゃん！』

上手く彼と和解出来た所で
阿部さんがばたばたとここにやって来た。

亮「伝えてなかった！今日の夜、食事会！」

蓮「…私生活ガン無視」

亮「施工主の決定は絶対なの！
　新しく来た室長との顔合わせだよ。」

蓮「室長…あの人か、代表とよりを戻そうとしてるヤツ」

室長の呼び名が“よりを戻そうとしてるヤツ”なのは
少し笑ってしまった。

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