ただ愛する仲【Hikaru.I】

039 ページ40

ー





『ただいま』





本音を言ってから、お母さんと過ごすのが
楽になった気がする。





『チキン買ってき…』


母「おかえり！
　 見て、久しぶりに料理なんてした」





自慢気に料理を広げて笑っている母。
…不安しかない。




『お母さんは食べないの？』


母「匂いに酔って食欲ないの」


『いただきます、…ん〜、まぁまぁだね』


母「まずいの？味見したのに…」


『母親だからって料理上手とは限らない。
　 ほら、チキンもあるし！』


母「あぁ〜チキンが！最高よ！
　 料理なんてこりごり！」





まともに向き合ってこなかった母と
話すことは、少し不思議な感覚だ。








・
・
・






『…あ、今日の人って』



バイクに轢かれそうになった私を助けてくれた人。
そういえば見覚えがあった。

バス停ももちろんそうだけど、

…顔面傷だらけの死にかけてた人だ。



『そういえばあの人だ〜…
　 私に助けてもらったとも知らずに偉そうな。
　 だからあんなに殴られるんだ。』





あぁ、気分悪い！うざったい！




ー

040→←038

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す