ネージュに染まれ (ページ39)

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迷路に触れる岩本side ページ39

『え、どうしたの？』

変な時間に目が覚めて飲み物を取りに行こうとしたら髪をかきあげながら階段を上ってきた目黒と角でぶつかりそうになった

目「あー、まあ飲み物取りに行こうとしたんですけどまあやめました」

『ん？』

目「じゃあおやすみなさい」

『あ、うんおやすみ』

目黒に首を傾げながらも階段を下りれば聞こえてきたのは翔太の声ともうひとり

目黒が引き返した理由はすぐに分かって

翔太の心地よい声とは裏腹に俺は引き返すかどうするかを短い時間で何回も考えた

とりあえずトイレに駈け込めば鈍い足音が聞こえて少し経ってからトイレの扉を開けたんだ

この時の階段を上るかリビングへ向かうかの判断は一瞬で

リビングの扉を開けた俺にソファーの下に座るAは驚いた顔をした後笑ってみせた

「ひーくんどうしたの？」

深夜4時に君こそどうしたの？なんて俺は言えなくて

『喉乾いちゃってさ』

笑ってみせれば安心したように笑うんだ

「ねえこの時間に起きてるのって悪いことしてる気分にならない？」

『Aってそんなこと思うタイプなの？』

「ちょっと今の失礼」

台所の棚から絆創膏を取り出して君の元へと近寄った

『今回はまた一段とだね。ちょっとじっとしててね』

Aの胸元には付けたてほやほやの痛々しい痕がある

俺には分かんない

好きすぎたらこうなるわけか？

愛しすぎたらこうなるわけか？

違うよなそんなの

『A？キャンプから帰って来たらやっぱ俺に1日頂戴』

「え？」

『お願い、これ、更新される前に』

絆創膏を貼って指を指せばAはスーッと息を吸った

「いいよ」

俺の頭に手を伸ばし俺に笑ってみせたAをみて

俺はもっと違う方法で

君に触れたいなって思ったんだよね