ネージュに染まれ (ページ24)

今日:73 hit、昨日:24 hit、合計:1,846,132 hit

内緒内緒ラウールside ページ24

「ラウちゃん好きなだけ食べていいよ」

Aちゃんは特別僕に甘い

かっこいい服は山積みくれるし

美味しいお菓子もたくさんくれる

学校まで迎えに来ることも多ければ

その度に寄り道だってする

『Aちゃん僕犬じゃないからね』

「お手」

にこにこ笑うAちゃんを見てため息をついた

『犬じゃないってば』

パフェを一口食べてAちゃんを見ればAちゃんは優しい顔で見つめてる

『なに？』

不貞腐れてると言わんばかりの声が出たけどそんなのどうでもいい

「ラウちゃんさなんで金髪にしてるの？」

『え？』

「目立つじゃん」

Aちゃんは顔色ひとつ変えずに優しい顔してて

『負けたくないから』

人と違うことは時に人から批判されることを僕はちゃんと分かってる

でもそれで自分を曲げるのは嫌だから

それはちっぽけな16歳の僕なりの抵抗なのかもしれないけどさ

「偉いよね」

『え？』

「ラウちゃんは私の自慢だよ」

Aちゃんは僕の頭を撫でると自分のパフェを僕の口へと運んだ

「もうっだいすき許す」

僕の言葉にAちゃんはにっこり笑う

こんな暑い日に首元に巻かれたお洒落なスカーフを見つめて

Aちゃんも僕の自慢だよって言うのはそのスカーフがとれてからにしようと思ったんだ