雨上がりは秒速 向井side ページ21
少し先に大きな紙袋をいくつも抱える人に見覚えがある
高いヒールを履きこなし
綺麗に巻かれた長い髪はふわりと揺れる
え、どうしよ
外で会うのは初めてで
というか未だにそんなに話したこともない
徐々に近づく距離で先に声をかけたのはAちゃん
「あれ?こーじ?」
手を振ろうとしてるけどどうも大きな袋が邪魔なのか高いヒールで小走りしながら寄ってくる
いや、え、あーどうしよう
『あ、Aちゃんどうしたん?』
いつのまにか俺の前に立つAちゃんは買い物だよ〜物あんまり持ってきてなかったからさ〜
なんてぶつぶつ言ってるけど
全然話しが入ってこーへん
思ってはいたけど
the高嶺の花なAちゃんに俺はどう接していいのか分からんし
「で?どうしたのこーじは?」
『あー...えーっと俺も買い物?そうそうそう買い物』
言えるわけない
経った数十分前に彼女にフラれましたなんて
そんなこと
『ふーん。じゃあ付き合うよ』
え?別に付き合ってなんて言ってないねんけどな〜まあもうなんでもええか〜なんて思いながら
笑ってAちゃんの手から大きな袋を奪った俺を真っ直ぐ見つめるAちゃんに首をかしげれば
「ありがとね。なんかこーじの優しさは気持ちがいいよね」
目を細めて微笑んだ
心拍数が上昇した気がする
【優しすぎる】
この理由で今まで何度もさっきだって経った数十分前にこの理由でフラれたくせに
思わず笑ってしまったんだ
『なにそれ、めっちゃ嬉しいやつ』
うーわ俺って単純やなって
神に隠して隠されて 佐久間side→←ご教示ください 阿部side
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作者名:むぅ | 作成日時:2019年8月20日 0時