ネージュに染まれ (ページ3)

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喉に詰まらせて飲み込めページ3

阿「ただいまー」

阿部さんは玄関で少しだけ大きな声を出した

阿「今日はまだ誰もいないかな？
リビング案内しますね
なんだろ、正直オーナーさんも住むって案内が来た時にそりゃこんな広いとこだもんな～ってみんなで話ししてたんです。
でもみんなきっと驚きます」

『え？』

阿「だってさすがに前のオーナーさん知らないですけど、まあ、それなりの方かなって話ししてたので、ね」

初対面なりの距離感で話をしながらリビングの扉を開ける
大きな机と10個の椅子が並び端の椅子を引いて
どうぞ～、なんて言う彼は絵に描いたような好青年だ

『ああ、こんな小娘とは思わないですよね』

阿「え、違いますよ！小娘なんてそんなこと思ってないですよ」

『んふふ、少し思ったでしょ？』

阿「本当に思ってないです！あ、ところでおいくつなんですか？って聞かない方がいいですか？」

『聞かれて困る年齢じゃないと思ってるから大丈夫です。26です。いい大人です...ふふっ』

阿「本当に？同い年です！」

『え？そうなの？なら敬語やめません？』

阿「いや、でも立場的に僕住まわせてもらってる側なのでね」

『なら住まわせてあげてる立場の私が敬語やめてって言ってるって考えてみてよ』

阿「ああ～それはやめるね」

『ふふっなんて呼べばいい？』

余所行きの笑顔を作りながら彼を見つめれば彼はやっぱりきらきらな笑顔で私を見つめた

阿「阿部ちゃんってみんな呼んでるからそれにして」

『阿部ちゃんね』

髪を耳にかけて微笑んでみれば阿部ちゃんは立ち上がり綺麗に微笑んだ

阿「Aの部屋案内するね
あと...ここじゃ多分通用しないよ色々」

『え？』

阿「そのうちわかるから」

私の頭に伸びてきた手はゆっくり私の頭を撫でた

綺麗な君には私のことは分からないよ、なんて言葉は飲み込んで私はまた微笑むんだ