検索窓
今日:8 hit、昨日:55 hit、合計:122,819 hit

こんなにも手離せない/gtmn ページ6

俺は、彼女に別れを告げた。

ただ俺は今も彼女のAのこと、出会った頃よりも比べ物にならないくらい愛している。
徐々に冷たくして気付かせてやれる男は優しい、けど俺には出来なかった。
恨んでもいい、怒ってもいい。

ただ嫌われたくはなかった。

俺のエゴで彼女を酷く傷付けることも俺はわかっていたのに。

別れようと一言告げた俺に恨み言ひとつ言わないAは縋りもせず涙をギリギリのところで我慢しながら俺に微笑みかけてくれた。

「もう少し……出会うのが遅ければ、良かったね」

俺は何も言えず溢れそうになる涙を我慢して彼女をコーヒーショップに残しひとりで外に出た。

Aとはかなり歳が離れていたけれど奇妙な縁で結ばれて付き合う形となった。

優しい子だった。
素直で物わかりの良い子で、適度にワガママも言えて……離す気なんてなかった。

それでもAはこれから先の未来、無限の可能性が広がっていて俺の存在のせいで何かを諦める選択をして欲しくなかった。
きっとAはその場に立たされた時に迷わず俺を選ぶこともわかっていた。

俺はAと違って素直じゃない。
そんなこと「言えば」済む話で将来を左右する立場に立たされているAを支えることもせず、逃げた。

そう、俺は逃げたのだ。

捨てられることが怖くて、自分から逃げて、最愛の人を傷付けた。

「こんなん全然大人じゃねーわな」

呟きながら俯くとぽつぽつとコンクリートが黒に染まっていった。

雨は降っていない。
これは俺の涙だ。

道中だと言うのに声が我慢出来ないくらい涙が出てきた。
焦りと涙のせいで頭がガンガンしていて周りがあまり見えていなかった俺の身体に人が体当たりしてきた。
倒れそうになったけれど体当たりした人を何とかを抱き留めた。

「こ、こんなとこで奇遇ですね」

その人は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらも笑ったAだった。
俺の顔を見ると慈愛に満ちた瞳へと変わりあははっと声に出して笑いだした。

「諦めきれないんでお試しでいいから付き合って貰えませんか?」

それは俺とAが付き合いだしたキッカケのAの言葉であの時と違う状況と言えば俺もAも泣いていて離さないとばかりにお互いの身体を掴んでいることだった。

「何も諦めないでAの未来選べる?」
「選んでるから追いかけたよ」


っと、まあ、これが俺と嫁の馴れ初め〜第2章〜ですけど続き聞きます?
ちなみに第3章は俺の嫁への愛が9割だけど。

赤いイナズマ/ky→←高めの度数で愛させて/fj



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (123 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
281人がお気に入り
設定タグ:短編集 , 実況者 , キヨ、レトルト、牛沢   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

luco(プロフ) - パンださん» パンだ様、コメントありがとうございます!読者様の楽しみになれて嬉しいです。今後もマイペースになりますが頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2021年3月30日 2時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
パンだ - めちゃくちゃ面白くて楽しませて貰ってます!更新頑張って下さい! (2021年3月28日 23時) (レス) id: 0ce8abb0bc (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ららさん» らら様、コメントありがとうございます!lucoを知って頂いた上に全作品お読み頂けて嬉しいしかないです!微微調整しながら今後もマイペースに更新していくのでこれからもよろしくお願いします\(^^)/ (2020年2月23日 1時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
らら - 最近、lucoさんの事を知って今めちゃめちゃハマってます、!!lucoさんが書かれた作品全部読ませて頂きました!!きゅんきゅんして幸せです!笑 これからも頑張ってください!応援してます!! (2020年2月23日 1時) (レス) id: 55f78e88a7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:luco | 作成日時:2020年2月11日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。