この憧憬は恋愛に転じるか/uszw ページ33
「彼女じゃない、友達」
ふ〜んと自分で買ってきたチョコを食べながら俺とレトルトを交互に見たキヨは「理解」と呟くとすっと手を上げた。
「俺も会いたい」
「は?!お前らに会わせる義理ねえだろ」
「ほ〜ん、好きなんや」
好きか嫌いかで言ったら好きに決まってる。
嫌いなヤツとこんな長い間、定期的に会うヤツなんて本物のドMだ。
俺は悪いがドMでもないしどっちかっつーと泣き顔に興奮するドS……って話はカットしとくとして。
この長期間で俺のAへの想いはちょっとずつ上昇していた。
元々俺は趣味とかに理解があって本来の自分の価値観とかが合う人が好きだしそれは築き上げてきた俺達の関係の中でわかり合っていた。
だからあの時言っていた「憧れは恋になる」っつーのだけは理解出来なかった。
あと何かひとつ、キッカケが掴めず踏み切れないと言うのが俺の本音だった。
「前も言ったけど恋愛感情ないっつってんだろ」
「じゃあ、俺に紹介してくれへん?都会OLえっちでええやん」
「お前そんなキャラじゃねえだろ?」
人見知りのレトルトが意味のわからん理由でAを紹介しろと食い下がってくる。
「じゃあ、キヨくん」
「ハートブレイカーな俺にえっちな女紹介してくれんの?」
最近失恋と言うか彼女に重いと言われ振られたキヨが俺の前に立ちはだかった。
「好きやないんでしょぉ〜?」
俺も恋愛感情ないと言った手前引き下がれなく結局4人での食事会をセッティングしてしまった。
「はじめまして、キヨさんとレトルトさんの動画いつも拝見してます」
少し興奮気味なAは仕事終わり直接来たようでオフィスカジュアルな服装に薄めの黒いタイツを履いており目の前に座る全身の目線が顔を見たあと即座にタイツに向いていた。
お互い自己紹介を済ませてから俺そっちのけで3人で会話を楽しんでいた。
「ちょっと外すわ」
人間誰しもイラつくと態度に出てしまう。
和やかな雰囲気を壊すのも良くないと外の空気を吸いに外に出たら腕を掴まれた。
掴まれた腕を辿るとレトルトで「どこ行くん?」と聞いてきた。
「外」
「随分イラついてるようやから平気かな?ってAちゃんも言うてたし」
既に名前呼びになってるレトルトにイラつくのはお門違いなのに頭の血管がピキッと浮かぶが何でもない顔で「あっそ」と呟いた。
俺は別にAのこと、好きでもなんでもないならイラつく必要がねえのにどこにもいけないイラつきで吐きそうだった。
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luco(プロフ) - パンださん» パンだ様、コメントありがとうございます!読者様の楽しみになれて嬉しいです。今後もマイペースになりますが頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2021年3月30日 2時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
パンだ - めちゃくちゃ面白くて楽しませて貰ってます!更新頑張って下さい! (2021年3月28日 23時) (レス) id: 0ce8abb0bc (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - ららさん» らら様、コメントありがとうございます!lucoを知って頂いた上に全作品お読み頂けて嬉しいしかないです!微微調整しながら今後もマイペースに更新していくのでこれからもよろしくお願いします\(^^)/ (2020年2月23日 1時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
らら - 最近、lucoさんの事を知って今めちゃめちゃハマってます、!!lucoさんが書かれた作品全部読ませて頂きました!!きゅんきゅんして幸せです!笑 これからも頑張ってください!応援してます!! (2020年2月23日 1時) (レス) id: 55f78e88a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:luco | 作成日時:2020年2月11日 1時