その彼女が、俺の彼女です -JK-

story 33 ページ33

ふと目に入った
宿舎のマンションの前の人だかり









なんだ？








マスコミかな･･･。










どうか俺ではありませんように･･･。



車の中で何度もそう願ったのに
あのマスコミの標的が
この俺で、しかも内容が酷すぎて
俺は宿舎のリビングのソファで











彼女からのコールが
鳴りっぱなしのスマホを
ただ握り締めていた











MG「お兄さんだろうな」

「･････････うん」

TH「大丈夫か？」

「大丈夫･･･じゃないかも」

JM「マネヒョンどーすんの？」

MG「どうすっかな」

「会えないよね、やっぱり」

MG「多分、今向こうも大変だと思う」

JIN「彼女だって公表したら？」

JM「ヒョン、記事ちゃんと読んだ？」

YG「BTSのジョングクは
俺の妹をしつこく追い回しているストーカーで
俺の妹を彼女だと大きな勘違いをしている」

JIN「ああ･･･」










想像以上のダメージだった。










ストーカーというワードのせいで
俺は警察から出頭するよう言われた











まさかこんな方法で攻撃されるとは











「電話はいいよね」

MG「どうぞ」










力の入らない足をなんとか立たせて
自分の部屋に入ると
ただ癒しを求めて彼女に電話を掛けた


「もしもし？」



電話は繋がったのに
黙っている彼女




「おーい」

A「･･････グク」

「どした？」

A「･･････ごめんね」

「泣き虫」

A「･･･ごめん」

「謝り続けるなら切る」

A「私･･･どうしたらいい？」

「なんもせんでよし」

A「でも･･･」

「大丈夫。俺がなんとかする」

A「なんとかって･･･」

「･･････会いたいよ･･･A」

A「･･･グク」











彼女につられて
俺も泣きそうになって
泣くの我慢したら
無性に会いたくなった











どうせ仕事は無くなった











俺は宿舎を飛び出して
彼女の所に車を走らせた










まだ付き合って1ヶ月しか経ってない











ここで諦めるのは嫌だった











それなのに･･･










彼女のお店の前に集まった
マスコミの集団を見て
俺はそれ以上近付けなかった










少し離れた所から
少しの間眺めて
彼女にメッセージを送った











“何も心配しなくていいよ”











大きくため息をついて
そのままUターン
宿舎へと戻った。

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