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love u... 59 ページ10

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赤ワインを飲みながら
彼女の涙を見た瞬間、
何かおかしいと感じた。

自分の世界に入ってる感は感じたけど
予期してない彼女の涙は
まじで殴られたような感覚。

一瞬、その涙すら綺麗だって思ったけど
そんなことより、この違和感
少し前に感じた気がする
この[嫌だ]と言う気持ちはなんだろうか。


自分で涙を拭った彼女が
少しして、

『……ワイン飲んでたらぽーっと
…部屋の香りと似てるからかな?
…なんの話ししてましたっけ?、』

と早めの口調で言う。

そう言い終えた彼女と視線が久しぶりに交わった


さっきまで、いろいろ自分のことを教えてくれて、楽しそうに俺のことも聞いてくれてた彼女の表情とはまるで別人だった。


…何故かとても悲しそうな顔をしていた。

今にもまた泣き出しそうなくらい。


理由がわからなかった。
昔の男でも思い出したのか?なんて思ったりしたけど、今こうして目が合ってる最中も、彼女の中で悲しさが増しているように感じた。

なんなら、俺と目が合っていることが
辛そうに感じた。


…なんなんだよ………

怒りじゃない。
焦りからこんな言葉が脳にこだまする

この涙の理由は俺な気がする。

自惚れかも知れないけど、
そう直感した。



自分の中でそう感じ取った時、
彼女がトイレに行くと言い出した。

泣いてメイクが崩れりゃ
誰だって女の子はそうするだろう


焦るように立ち上がって歩き出そうとした彼女の手を
なぜか咄嗟に俺は掴んでしまった。

なぜかではない。
もう2度と帰ってこないような錯覚を覚えたから。


今掴まないと、
彼女がどっか行ってしまう気がした。


彼女はこの状況でもドアを向いたまま。

俺はなるべく、穏やかな声で



ーーねぇ、こっち向いて?

と言った。
でも案の定こっちを向かない。


ちょっと強引に、腕を引っ張って
俺の方にむりやり向かせた。



10cmほどはあるだろう身長差。
俯く彼女を見下ろす。


ゆっくりと顔を上げた彼女と目が合った。


さっきよりも辛そうな彼女に
思ったままに口にした。

ーーなんでそんな、悲しい顔すんの?



そう言った後すぐに
また彼女の頬に涙がつたった。

もう無意識に、彼女の涙を指で拭って、


ーーなんで、泣いてんの?


そう、
また思ったまま口にするしかなかった。

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設定タグ:田中樹 , SixTONES , 年上   
作品ジャンル:タレント
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作者名:Nagi | 作成日時:2021年2月27日 0時

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