検索窓
今日:6 hit、昨日:7 hit、合計:200,722 hit

love u... 91 ページ42

.
..
...

日曜日。
展示会の疲れもあってか、お昼近くに目が覚めた。

すっかり晴れた空なのに
気持ちが晴れない。


いつもなら、
休日にしかほとんど見ないテレビをつけるけど
彼に会ってしまいそうで憚られた。


重く感じる体を無理矢理起こして
家事をこなす。


そろそろスーツを冬物にしないと。
クリーニングに行こうか、

気分転換も兼ねて
クリーニングに出す服を決める。


何着かのスーツを見繕って
玄関に向かった時
かけてあったコートが目に入った。


まだもう少し置いておきたいアイテム。

でも……


ハンガーから外すと、
まだ消えていない、



(樹くんの香り…)




クリーニングに出せば消えるだろう。
少し早いけど、持っていこうか。



香りにつられて
何度も何度も彼との思い出が蘇る。



無意識に
コートを抱きしめるように
その場でへたり込んだ。




(早く忘れさせてよ……)


結局
コートを羽織ってクリーニング店へと向かった。


.
.


月曜日、永瀬くんと岸くんは振替休日。
すこし静かな社内で、黙々と報告書に取り掛かる。

幸いなことに、今週は商談やお得意先の接待
全社会議などが重なり忙しい。

仕事をしていれば
彼のことを忘れる時間ができた。


次の日も、その次の日も
いつもより早く来て
いつもより遅くまで仕事して
接待飲食にももちろん参加して


「Aさん、大丈夫っすか⁈」


予定外の接待の帰り道、
働きすぎと岸くんに心配される。
先輩失格だ。


なるべく1人でいたくない。
そうしてないと彼が浮かんできてしまう。


日が経てば忘れるとおもった彼の存在は
なぜか日に日に増しているように感じる。



ーー大丈夫、仕事が好きなの。

そう岸くんに伝えて、駅で別れた。



とぼとぼと歩く道。



毎日ここを通るたびに
彼のことを思い出してしまう。



彼はもう私を忘れただろうか。
そうかもしれない。

あの世界には魅力的な人がたくさんいる


ーもう私のことなんて。


私も少しずつ忘れよう。


(クリーニング取り忘れた…
でももう23時前か。またこんどだなー。)


間違ってクリーニングに出した
おきにのニットを早く回収したくて。

この道を通ってるのに
そんなことを考えられた自分の進歩を感じた。


久々にお酒も入ってるから
ふやふやと、歩く



ふと浮かんだ曲を鼻歌しながら、

(これ何の曲だっけ)


思い出せそうで思い出せない

同じフレーズを何度も繰り返しながら歩く









『そんなに気に入ってくれた?』

love u... 92→←love u... 90



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (246 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
667人がお気に入り
設定タグ:田中樹 , SixTONES , 年上   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Nagi | 作成日時:2021年2月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。