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love u... 82 ページ33

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..
...



体が勝手に動いてた。


こっちを見ないまま、
俺の言葉を黙って聞く彼女が
最後に泣いて。


(窓の反射で分かんだよ、泣いてんの)


どっちの涙か分かんないけど
俺が拭いてやりたくて
少し体を動かした時、


『…ありがとう、でも』


と、俺が欲しくない方の答えの声色で言うから



涙を拭くつもりで伸ばした左手を
彼女の頭の後ろに回して

触れるだけの、キスをした。



彼女からは、甘いワインの香りがした





ーー俺の言葉、信じてよ。
  返事は後でいいから。





そう言って運転席のドアを開け外に出た。
冬を感じる外気が、冷静にさせる


キスした時からほぼ動いていない様子の
彼女が座る助手席のドアを開ける。


黙って、降りる彼女は
俺を見てくれない。


後部座席から彼女のコートと鞄を取り出す。



ーー連絡待ってるから。



冷静になった頭で、何を伝えようか
考えたけど、これが精一杯だった。



『うん、』



と、小さく言い、
ほんの一瞬だけ目が合って
荷物を受け取るAさん




ーーじゃあ、今日はありがと。
  またね。



『こちらこそ、ありがとう。…また』




ぎこちない会話をして、歩き出す彼女を見送る。



何度も、引き止めて何か
もっと伝えたり出来ないかって思ったけど

少しずつ小さくなる彼女が
エントランスに入るのを確認して車に戻った。



空っぽになった助手席が淋しい



(なかなか難しいな)



なかなか手に入らない彼女と
想像以上に彼女に惹かれてる自分

こんなに恋愛って難しかったっけ。
今までが軽かった?
今回が本気なだけ?
なんて思いながら家へと車を走らせた。

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設定タグ:田中樹 , SixTONES , 年上   
作品ジャンル:タレント
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作者名:Nagi | 作成日時:2021年2月27日 0時

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