love u... 69 ページ20
.
..
...
『すみません、お待たせしました』
と少し早めの足音で戻ってきたAさん
別にさっきまでも十分きれいで、かわいくて
見惚れるほどだったのに、
戻ってきた彼女は、さらに綺麗で。
濡れたように見える艶っぽい唇や
ただ左に流しただけの
曲線かかった髪を手で触る仕草がたまらなくて。
どこまで俺を虜にするんだろう、なんて
帰る支度をしている彼女をただ見ていた。
『行きましょうか!』
と、財布だけは手に持って、
さっき俺の香水をかけたコートは左腕にかけて
俺を見ている。
ーーうん、行こう
まだこれからどうするか決めきれてなかったけど
自分のアドリブ力に期待して、個室を出た。
俺が2歩くらい少し先を歩き
店の扉を開けた。
店員がありがとうございました、と頭を下げている中
『えっ、?お会計は?』
なんて慌てながら店員に確認して、
俺の方を一度見た後、ご馳走様でした、と店員に伝えて、俺が開けているドアを出てきた。
『いくらでしたか??
年下に払わせるわけには行かないです』
と財布を開く彼女。
ーーいくらだったかな、忘れちゃった!笑
なんてごまかすけど、
いや本当に!困ります、せめて半分払わせてください
なんてやたら強く言われて。
ーーじゃあ、
家まで、は抵抗あるだろうから、
せめて家の近くまで、車で送らせてください。
この俺のわがまま代がちょうど
今日のディナーの半額くらいだったかな?笑
…なんて笑って付け加えて、彼女の反応をみる。
(相当困ってんじゃん、笑)
真剣な顔で考えている様子の彼女。
『払わせては、くれない…?』
ーーうん!払わせない。絶対。
子供みたいに俺も抵抗して。笑
『払ってもらって、送ってもらうなんて、
私、得しかしてないんですけど……』
と、彼女が折れかけてることを察知して畳み掛ける
ーー俺がもう少しAさんと一緒に居たくて。
わがまま聞いてもらえませんか?
『じゃあ、お言葉に甘えて……』
と、作戦がうまく行った。
ーーやった!!
じゃあ車近くのパーキングにあるから、少し歩かせちゃいますけど、行きましょ!
なんて饒舌に話す俺。
外に出たから無意識に
フードかぶってメガネをして歩き出した。
美味かったですね、と横にいる彼女に目をやると
そこに彼女はいなくて。
667人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Nagi | 作成日時:2021年2月27日 0時