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love u... 64 ページ15

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『…思ってること、全部言ってほしいです』

そう言われて、咄嗟に、
歳だなーって、泣き上戸になったかなー、

なんて返したけど、
彼はやっぱりお見通しみたいで。

『それ、俺の目見て言える?』

って、私が苦手なやつ、言ってきた。


たった数日と今日で私の心を
簡単に奪っていった彼。

でももうこれ以上は無い。これで終わり。
この食事が終わったらもう会わない。

そう、決意したから。もう。

この関係に未来がないのに
声をかけてきた彼にほんの少し心の中で毒づいて。

5歳も年上、私が17の時、田中さんは12歳。
そんなようなことを言ってはぐらかした。

そう答えたとき、掴まれていた手が緩んで、

彼の手からするりと離れて
この空気を変えるためにも
冷めてしまった料理の温め直しとお水をお願いした。


彼は席に座ったけど
すごく浮かない、思い詰めたような顔をしてる。

温め直してくれるって、の報告にも
上の空みたいな空反応。

(気にしない、見ない)

そう決めて、沈黙を避けるため、
営業でよく使う
出身地トークに持っていこうと思って尋ねた。

なかなか返答が来なくて、
東京か神奈川かなーなんて予想してたら


『俺、樹っていうの。名前。』
『樹って呼んで。田中さんってやめてほしい。』


と、全然違う回答?が返ってきた。

なぜか辛そうに、縋るような声で言う彼に
また鼓動が跳ねた。

(だめだめ、冷静に、、)

急にどうしたの?的な言葉ではぐらかしたタイミングで店員さんがやってきた。

(助かった…)

水を3口ほど飲んで、もう一度
冷静に…、と意識し直して。

温め直ししてもらった料理をとりわけ
また何も発しなくなった彼にたべましょ、と促す。


料理はとても美味しくて、
ふと、また来たいななんて思ったけど。
おいしーっ、と
独り言のように言った言葉でかき消した。

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設定タグ:田中樹 , SixTONES , 年上   
作品ジャンル:タレント
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作者名:Nagi | 作成日時:2021年2月27日 0時

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