love u... 2 (ページ14)

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…離れてく。

そう感じた。
すくっても溢れる砂のように、
Aさんはするりと、簡単に俺をかわす。

今日何度目かの、彼女の変貌。

それが俺を思ってのことだと思うと
そんなこと、もう思わないでいいように
どうにかしたいって。

でもどうすれば……

少し遅れて席に着くと、
いつのまにか彼女が呼んだ店員がやってきて、

料理の温め直しを申し訳なさそうに頼み、
俺のグラスがまだ入っているのを確認してから
自分の水を頼んだ。

『温めてくれるって！笑』

そうはにかんで伝えてくる。

俺はまだぐるぐると悩んでいて。
ーあ、うん、よかった

と淡白に返事をした。

『田中さんって、出身どこなんでしたっけ？』

沈黙にならないようにしてるのか、
そんな、初対面の誰にでもするような
なんなら会話の初めにするような質問をしてきた。

(深いところ知っても意味ないって事かよ)

おしゃれだし、東京か！あー神奈川かな、、
と俺の返事すら待たずにペラペラと話す。

俺が招いた事なのに
なんかムカついて。

ムカつくっていうか…….
もう、これ以上
Aさんが遠ざかっていくのを感じたくなかった。

ーー…り、俺、じゅりっていうの。名前。

出身地を聞かれたのは分かってる。
でも口から出たのはこんな言葉だった。
それで、止まらない。

ーーじゅりって呼んで。
もう、田中さんってやめてほしい。

拗ねた子供みたいだなって、自分でも思う。

『えー？急にどうしたんですか、笑』

なんてはぐらかしてくるAさん

タイミング悪く
店員が温め直した料理と彼女の分の水を運んできた。

『温かいうちにいただきましょ』
と言いながら俺の皿に取り分けてくれる。

さっきまで、舞い上がって
すげー幸せに感じてたのに。

とてつもなく遠く感じる。

おいしーっ、と綺麗な顔で可愛く笑う彼女は
もう心のうちを俺に見せないつもりなんだろう。

全部俺がいけないことは分かってる。
彼女をきっと、すでに苦しめてることも。

でも俺、引くつもりない。
ってか引けないし、もう。

それくらい、好き。惹かれてる。

勝手に自分で結論つけて、歳の差意識させて
そうやって自分にも俺にも蓋しようとしてる
Aさんに、余計に惹かれてるし。
逆効果だし。笑

拗ねた子供から、少し精神年齢をあげて。
彼女が取り分けてくれた料理を食べながら
そんなことを考えてた。