9-5 ページ29
｢…まあ、まあ、コイツらがおかしいだけで別にそれが普通やで！これから仲良うなっていけばええやんか！な！｣
｢せせせやよな！初めての距離感ってこんなもんやんな！ははは！｣
｢ははは！｣
ぎこちない空気感の2人をフォローするトントン、視線をじゃばじゃば泳がせるシャオロン、話を聞いてるのか聞いてないのか分からないA。簡易的な地獄の出来上がりだ。
｢コネ・ショピとシャオ・Aで決まりやな。配属先はもうしばらくしたら決定するから、それまでは先輩の2人に主な仕事内容を教わること。…わかったか？コネシャオ。｣
｢ええっ俺らなん？｣
｢当たり前や後輩の教育しっかりせえよ！！中途半端は許さん。｣
｢はぁい。｣
それから…、
新人2人に差し出される小ぶりな箱。シンプルなつくりで装飾は一切なく、深めのフタを引き上げるだけで開きそうだ。
｢…なあに、これ。｣
箱を開けて顔を覗かせたのは…各々の瞳の色である、マゼンタとバイオレットパープルの石が光る小さなピアスだった。
｢それは簡易的な発信機の代替品やな。キャッチを外せば情報棟…に現在地が表示されるようになっとる。基本インカムで連絡をとるようにしとるから滅多に使わへんけどな。もしも…のときのための命綱やと思うてくれ。｣
よくよく見れば、彼らも同じようなものを耳に装着している。トントンは目を引く鮮やかなパプリカ・レッド、コネシマは光を跳ね返すヘミモルファイト、シャオロンは朝焼けのようなサンフラワー。
大方、注意事項や使用方法について説明し終わる頃には13時をすぎてしまっていて、長くなる前に解散する流れに落ち着いた。
Aの相棒になるシャオロンはついでとばかりに書類の不備を指摘されており、必然的にショッピ達が先に部屋を出る運びになる。
扉をくぐる2人のーー気遣わしげな視線と、なじるような視線の意味が、Aにはよく分からなかった。
｢…さ、行こか、お嬢ちゃん。｣
｢…お嬢ちゃんって歳じゃないわ。｣
｢え、いくつ。｣
｢今年で20だよ。｣
｢うっそぉ…マジで…？｣
ドキドキ・ツーマンセル大作戦。
果たして功を奏すのか、それとも？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
哀(プロフ) - 左原さん» 感想ありがとうございます！すごく嬉しいです...手汗がとまらない...これからも読んで頂けると幸いです！ (2018年6月2日 17時) (
レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
左原(プロフ) - 文章も設定も凄く素敵で大好きです... (2018年6月2日 11時) (レス) id: 28700181e9 (このIDを非表示/違反報告)
哀(プロフ) - 朝霧さん» わーい！お気に召したようで嬉しいです！コメントすごくありがたいです...頑張りますね！ (2018年5月25日 23時) (レス) id: 037484ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - 待って、、、こーいうの好きなんやけど、、、ああ！申し遅れましたねェ、朝霧言いますー、ほんまこういうの好きですゥ！頑張ってください！ (2018年5月25日 12時) (レス) id: 3d4e8d6b36 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：哀 | 作成日時：2018年5月20日 19時
