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｢職員A、アブノーマリティT-02-33-W収容室前に到着。調査、鎮圧に入ります｣
(健闘を祈ります)
厳重に閉められた扉を開き、すぐさまピストルを構える。
電飾に影響を与えるタイプではないのか、通常通りの収容室が広がっていた。
その中心に、座り込む職員××と甲高い声で騒がしく吠えながら遊ぶチワワの姿があった。
職員××の膝を飛び越えたり背中を駆けて行くチワワは非常に身軽だ。
不意に職員××がこちらを振り向く。
｢……おお、職員A！何やお前が来たんか！｣
｢どうも、職員コネシマ。あなたに命じられていたのはチワワへの抑圧作業だったはずだけれど｣
輝くような金髪に、とうの昔に失われて絵本の中にしか残らない青空のような瞳を持つこの男は確かに安全チームの職員だった男だ。
ただ彼は遠目で見る限り寡黙で真面目な印象を受けるような職員で、少なくとも大先輩である私に対してこんなにフランクに声を掛けるような男ではなかった。
｢せやで、でも今は"コイツの飼い主"や｣
｢……飼い主としての人格を同調させられている、と？｣
｢そんなとこやな。職員Aは話が早くて助かるわ｣
このチワワ、どうやらチワワそのものが本体というよりも飼い主の人格が主であるらしい。
成り立ちとしては飼い主を失ったチワワが飼い主を留めるための依代となり、飼い主になりうるものを探し求めている……といったところが妥当か。
飼い主役にたまたま職員コネシマが当たってしまっただけ。
飼い主がいる限りチワワに危険性は観測出来ないとされていたこともあるし、職員コネシマがチワワにとって用済みとなるまでの間このアブノーマリティは無害になる。
｢ところでA、お前良い感じの風俗知らん？｣
｢知るわけないだろ……そういうものと無縁な職場なのは職員コネシマもよく知っているだろう｣
｢あ〜……じゃあアレや、愛着作業で女寄越してくれへん？｣
職員コネシマの輝かんばかりの笑顔を掠めるようにピストルを撃つ。これはもはや人ではなく、魅力でも狂気でもない以上救いようも無い。
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志摩(プロフ) - H2Oさん» H2Oさん、閲覧ありがとうございます。アブノーマリティの設定はめちゃくちゃ悩んだので褒めて頂けて嬉しいです。更新頑張ります。 (2019年7月16日 8時) (
レス) id: 4b0ab5b92a (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - コメント失礼します。このパロディとても好きです。待っていました。各アブノーマリティの設定も凝っていて、読んでいて世界観に飲み込まれました。これからの更新楽しみにしております。 (2019年7月16日 7時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志摩 | 作成日時：2019年7月11日 0時
