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「本棚、君は生きているのか?
いや、生きるという概念はどう定義されるべきなんだろうな。
私は私のことを生きていると認識するだけの知能と自意識を持っているが、お前にそれがあるのか、もし無いのならそれは生きていると言えるのか。
何にせよ君の生物と無機物の境界は曖昧で非常に危なっかしい。
解体すればこの鼓動は止まるのか?
あるいは本棚の姿を取っているだけで実際にはこのうちの板1枚が本体だったりするのか?」


本棚は何も言わない。
発声器官を持たないのだから当然とも言えるが、それがまた私の内面を揺らすように響く。


「本棚、戦争は好きか?私は大好きだ。
数多の命が軽々しく散っていく様は刹那的でこの上なく美しい。
この施設では職員の命はその日の食事よりも軽い。
今だってそうだ、私は死の淵から足を投げ出しながら返答など出来るはずもない君に語りかけているんだ。
何しろ他の職員は私の思想になかなか同調を示さないまま死んでしまうから……君たちのようなバケモノ相手に好き勝手語るのが関の山なのさ。
そうだな、もしも君が私の思想に理解を示してくれるなら是非読んで欲しい本を持ってきたんだ。
さあ私の聖書を食べておくれ、"永遠の書架"」


天板に置いた本は瞬く間に姿を消した。
本がどこに行ったのかは分からないが、彼は本棚である。
本棚は本を喰らいその身の内に留めるものだ。
いつか彼と会話が出来るなら、今渡した煙戦争についての本の感想を聞きたいものだ。

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志摩(プロフ) - H2Oさん» H2Oさん、閲覧ありがとうございます。アブノーマリティの設定はめちゃくちゃ悩んだので褒めて頂けて嬉しいです。更新頑張ります。 (2019年7月16日 8時) (レス) id: 4b0ab5b92a (このIDを非表示/違反報告)
H2O(プロフ) - コメント失礼します。このパロディとても好きです。待っていました。各アブノーマリティの設定も凝っていて、読んでいて世界観に飲み込まれました。これからの更新楽しみにしております。 (2019年7月16日 7時) (レス) id: e433076a9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:志摩 | 作成日時:2019年7月11日 0時

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