窮鼠なれど王を噛めーその10 ページ4
※幸村目線
食堂の重い扉が静かに閉まる。
ここからAの部屋までは遠くない、それでも俺達は少し足を早める。
俺は、あの時の観月に違和感を感じていた。さっきの表情を思い出し、思わず俺は眉を顰めた。
Aが縋るように観月の名前を呼んだ時、あいつは少しだけ口角を上げたのだ。
それは今日が初めてではない、Aと話している時、Aに名前を呼ばれた時ごくたまに観月はそうやって計画が上手くいっているとでもいうような笑みを浮かべる。
Aは観月によく懐いているし、マネージャーとして頑張っているようだから気にしていなかったけれどやはり気になるのだ。
観月には、｢交渉で他校の生徒を引き込んでいる｣なんて噂がある。
もちろんAがそれに応じるとは微塵も思っていない、俺はAを信じているから。
それに、良くも悪くも俺達はAの秘密を共有しているのだ、簡単に離れられやしない。
顰めた眉を抑えようと眉間を指で抑えていると、後ろから仁王が顔を出す。
「……幸村、気付いとったんか？」
その言葉に一瞬なんのこと、と聞き返そうとして気付いた。ああ、「Aの他にも事件について知っている部員がいる」というやつか。
あればほぼハッタリだったんだけど、本当にいたのか。
「何か知ってんだね、仁王？」
俺が笑ってそう言うと仁王はしまった、という表情。
「ハッタリだったんか…」
「あはは、ごめんね。でも仁王も知ってるなら心強いな。これで夕食までに間に合うかな？」
まぁな、と自慢げに鼻を鳴らした仁王が、すぐに表情を引き締める。
「ああは言うても、夕食まではちと短いな。Aちゃんに頼ることになるじゃろうな。」
「そうだね。……Aがどこまで立ち直ってるかにもよるだろうな、心配だけど…」
そんな会話をしていれば、部屋の前へ。
宥める観月の声が聞こえて、思わず耳を澄ませる。
「……跡部君とは、どういう繋がりなんですか？」
観月がそういう声が聞こえて、俺は思わず勢いよく扉を開けた。
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木こりのコロポ(プロフ) - 日吉和菓子2円さん» コメントありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2018年4月30日 0時) (
レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
日吉和菓子2円 - ルドルフ組が可愛かったです！ (2018年4月29日 22時) (レス) id: 9521c565b3 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 第一部隊さん» コメントありがとうございます！ルドルフの中だと淳が好きなので、かなり淳との会話が多くなってしまったかなと思います…！お気に召して貰えたならなによりです！ (2018年4月29日 19時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
第一部隊(プロフ) - ルドルフかわいかったです！家族設定面白い！ありがとうございました！ (2018年4月29日 18時) (レス) id: 91bd124fa4 (このIDを非表示/違反報告)
木こりのコロポ(プロフ) - 暁月さん» ご指摘ありがとうございます！訂正しました！ (2018年4月29日 13時) (レス) id: 43368e3037 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：木こりのコロポ | 作成日時：2018年4月14日 8時
